キャリアガイダンスVol.457
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える人に多数出会い、「率直に言って素敵だなと思った」という。自身も町内会活動に参加、若い人が少ないなかで「同年代の方が町内の草むしりを誰に褒められずとも毎回主導する」姿に感銘を受けた。前任校で訪れた。総合的な探究の時間と学校設定科目の週3単位で、地域課題解決型の学習をすることに。難解な地域課題に、右も左もわからないまま向き合うのは、週3単位でも足りないと感じた。「場当たり的な活動になりがちで、町内会活動以上の意義があるのかな、と。『子どもたちが主体的にやっているから』と批判されにくい状況にも問題を感じました」感が募るなか、大学院に進む機会を得た。半年間、内地留学をして社会科教育学を学び、以降はその知見も活かし、前ページでふれたような実践を重ねて、公民科の授業での課題解決型学習を形づくった。さらに今の新津高校に来て3年目より、探究学習の担当になり、その進め方も模索した。文武両道の進学校で生徒は多忙ななか、週1単位、年35時間で何をするか。「探究学習では、まず課題を設定しますが、これを『解決したい社会問題を定めること』と勘違いすると、年35時間で挑む生徒に過度な負担を背負わせます。課題とは解明したい問いのことで、もっと幅広いもの。本校では『生徒が興味ある事象について、何が原因で結果どうなっているかの因果関係を解き明かす』ことに絞った探究を行うようにしました(上の図版やコラムも参照)。『なぜ日本は観光客数が世界上位なのか』『なぜ数学嫌いが増えるのか』などです。まずは起きている事象を正しく把握する。そのうえで、ゆくゆくは事象にまつわる問題の解決に、社会科学的なアプローチや、自然科学的なアプローチなど、各教科の授業で学んだ手法も活かして挑んでほしいと思っています」「実は陸上の部活動指導をしたかったのが出発点で、たまたま政治・経済が得意だったので社会科の教員になったんです」小林先生は少しばつが悪そうに、そう語る。初任校は総合高校。週数単位を使って生徒が自分の興味・関心を掘り下げる課題研究の授業を「面白い」と感じた。次は佐渡島の進学校。生徒が島の魅力に気づき、その未来も考えていけるよう、地元の人を招くキャリア教育を提案した。さまざまな活動で地域コミュニティを支公民科の授業を見つめ直すきっかけは、このままでは生徒に申し訳ない。焦燥教科学習や探究学習を指定時間内でどう進めるか60創立1921年/普通科生徒数703人(男子338人、女子365人)進路状況(2025年3月卒業)大学 173 人、短大 5 人、専門学校33人、就職1人、その他9人○「興味がある分野のキーワード」+「推移」「変化」などの語句でネットで画像検索を行い、グラフや表の統計資料を収集○ 統計資料の分析を生かして「なぜ〜なのか」の問いを設定○ 自分たちのリサーチ・クエスチョンに関連する論文をJ-STAGEで検索○ 論文の「要旨」「はじめに」を読み、その内容をグループ内で共有したうえで仮説を設定(関心がある分野の研究対象や研究手法を知る機会にもなる)〇 仮説検証のためにどのようなデータを収集するべきかを考察〇 リサーチ・クエスチョン、仮説、検証方法を進捗状況報告シートにまとめる〇 進捗状況報告シートを基に大学教員からフィードバックをもらう〇大学教員からのフィードバックを踏まえて情報を収集 (AI活用によるデータ収集、文献調査、インタビュー調査、アンケート調査)〇収集した情報を編集(図表の作成、統計処理など)〇設定した仮説が正しかったかどうかを検証〇 パラグラフ・ライティングの技法について説明を聞き、論文を作成〇 作成した論文を基に発表スライドを作成生物奈良俊宏先生※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 刊行物 >> キャリアガイダンス(Vol.457)左は探究学習の進捗状況報告シート。このシートの記載を基に、高大連携協定を結ぶ4大学の教員約20名が、生徒に指導をしてくれているという。右の写真は新潟薬科大学の松本 均先生。校訓は「學ぶは髙き人の道」。県内の4大学と高大連携協定を結び、探究学習におけるデータ活用や仮説検証の仕方についても大学教員の指導を受けている。文部科学省「高等学校DX 加速化推進事業( DX ハイスクール事業)」の採択校。2026 JAN. Vol.457 現2年生の探究学習を1年次から小林先生と進めています。共感しているのは、年35時間から逆算し、無理のない計画にしたことです。仮説検証の仕方をきちんと学び、試行錯誤して探究したなら、結論が出なくてもよしとしています。放課後も探究にのめりこむ生徒もいますが、35時間で活動した生徒も十分学びがあるようにしたいのです。活動中に文章の構成も学ぶので、私の担当教科の英語でいえば、入試の長文読解や、進学後のレポート作成にも生きると思っています。 小林先生の発案で、本校の探究学習ではリサーチ・クエスチョンを立てた段階で先行論文を読みます。これが非常に良かったです。生徒が今ある知識だけで仮説を立てると、思い浮かぶことは限られます。先行研究にふれ、どこまでがわかっていて、何がわからないかをまず把握すると、仮説についての思案も、生徒同士の議論も深まるようになりました。先行研究を踏まえた仮説設定と検証は、私の生物の授業でも目指したいことですし、社会に出てからも有用だと思っています。     時間内で活動する生徒にも学びの質を保証できるように先人たちの知にふれることで限られた時間でも濃い探究を英語水戸直和先生新津高校(新潟・県立)因果関係の解明に焦点を絞った探究学習1.リサーチ・クエスチョンの作成2.先行研究分析・仮説の設定3.検証4.論文作成INTERVIEW・教科を越えたつながり

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