が講師を務めることができる可能性も考えられる。AIが進化する時代にAI活用能力の育成とともにさらに考えなければならないのは、この時代に〝人間にできることは何か〟ということだ。保護者に対し、学校における「AIで代替されにくい能力」の養成有無を尋ねたデータが図11だ。「どちらともいえない」(46%)が多数派なものの、「養えていると思う」が13%、「やや思う」(30%)まで含めると43%が学校で養えていると回答。その理由としては(フリーコメント❹)、教室での授業や探究活動、部活や行事など特別活動(特活)を含めた多様なカリキュラムが用意されていることやその実績を評価する意見が多数挙げられていた。学校現場には先生や友人など〝人との関係〝を通したAIでは対応できない学びがあることや、探究活動や特活で課題発見力、解決力、じっくり考える力が養われていると答えている。日本独自の特活(TOKKATSU)は、近年アフリカやアジアでも注目、導入されている一方で、教員の働き方改革との両立が課題となっている。いずれにしても保護者は学校に対して、人間にしかできない活動に期待を寄せ、価値を認めている。急速にAIが普及する社会のなかで、人間がさらに養うべきこと、学校にできることを考える局面に来ていることは間違いなさそうだ。が(フリーコメント❷)、思考の深まりを実感している高校生の存在は見逃せない。「変わらない」理由は、AIの使い方がわからないという声が多かったほか、AI情報の信憑性を疑う生徒もいた。最新テクノロジーへの親和性や使いこなす技術力が、生徒の学習進度や広がりに影響する懸念を示唆している。今後ますます進化し、社会はもちろん生徒への影響が大きくなると予想されるAI。生成AIが提供する情報の信憑性には疑いの目もあるなかで、生徒たちは大人よりも速く親しんでいく可能性は大いにある。既に高校生対象のアプリ開発コンテストなども多数存在する時代だ。生徒たちが安全・安心にAIを取り入れていくには正しい知識や向き合い方が必要とされる。そこで、高校生に最新のテクノロジーの活用方法について学校で学ぶ機会の有無を尋ねたところ(図10)、「ある」は26%に留まり、「ない」が48%と半数近くを占めた。日進月歩のAIについて、来年度の教科書では「情報」以外でもAIに関する記述が多数登場している。生徒たちが学習や進路相談にAIを取り入れ始めている状況を学校も把握し、AI活用について生徒と共に学ぶ機会を今からでも増やす検討をしてもよいかもしれない。場合によっては、テクノロジーを得意とする生徒学校ヘの期待と評価は人間にしかできない力の育成ある (n=1,584)養えていると思う・計養えていると思うやや思う (n=1,291)どちらともいえない・わからないない養えていると思わない・計どちらともいえないあまり思わない養えていると思わない(%)無回答(%)養えていると思う・計養えていると思わない・計無回答●子どもと話をしていると、学校生活の中で私の思いもよらないことまで考えているんだなと時々ハッとさせられることがあります。一見なんでもないような学校での日常体験の中で、AI には代替されにくい力が養われていると思います[富山]●探究学習について子どもから聞いている限り、課題発見、解決能力はある程度鍛えられていると感じられます。[岩手]●高校に入って自分で考え行動することが多くなり、課題や困ったこともよく考え解決しているように見受けられます。 [東京]2026 APR. Vol.458最新のテクノロジーの活用方法について学校で学ぶ機会の有無(全体/単一回答)【高校生】学校における「AIで代替されにくい能力」の養成有無(全体/単一回答)【保護者】 隔年で実施している「高校生と保護者の進路に関する意識調査」は今回で12回目。本誌ではAIが高校生に与えている影響の設問を中心にご紹介しましたが、2025年調査の全文は、リクルート進学総研のWebページ「リポート・調査」で見ることができます。進路選択における親子コミュニケーションの現状、進路を考えるときの高校生や保護者の思いや行動、探究活動などの教育改革に対する評価、家庭と高校の役割、学校に対する要望などについて、高校生と保護者のそれぞれの考えについて報告しています。時系列での変化も踏まえた状況や、誌面では紹介しきれなかった高校生と保護者の生の声を多数お伝えしています。ぜひご覧ください。 1325.89.0 2.442.811.426.113.248.129.545.92025年全体2025年全体
元のページ ../index.html#13