ワーク1で書き出した生徒視点でのAIの活用例について、ワーク2では教員の立場で「許せる/許せない」の仕分けを行った。この仕分けは、学校のルールではなく「これからの社会で、生徒にどうあってほしいか」という教員としての願いを踏まえて行われた。結果は明確に分かれた。悩みながら、いくつかの事例を「許せない」へ分類した安宅先生・鰐川先生に対し、鈴木先生・村田先生はほぼすべての事例を「許せる」と位置づけ、教員間のスタンスの違いが浮き彫りになった。 「許せない」ラインを引いた安宅先生と鰐川先生の共通点は、「AIの答えを鵜呑みにせず、クリティカルに考え続ける思考を守り抜いてほしい」という思いだ。安宅先生は、スライド作成の完全な丸投げを危惧し、「丸投げではAI上でタスクがすべて完了してしまいます。AIに思考をジャックされているかのようです。本当にこれで(鰐川先生)さらに、家庭科で投資について教えた際、「AIがおすすめしていたから、この銘柄を買いたい」と、AIの情報を鵜呑みにする生徒がいたことを挙げ、知識が薄い分野での危険性も指摘した。これに対し、対照的なアプローチを示したのが鈴木先生と村田先生である。鈴木先生は「法に触れる使い方はNG、それ以外はすべてOK」と明確な方針を打ち出した。「AIがなかった時代から『友達の答えを写す』生徒はおり、AIに宿題をやらせるのと本よかったのかな?論理展開は正しいのかな、という自分なりの視点が大事です」と指摘。「その人でなければ作れない『思い』が表現されたものなのかどうか。そういう視点の有無が、丸投げかそうでないかの違いかなと思っています」(安宅先生)家庭科を担当する鰐川先生も、情報に対する生徒自身の精査の有無を判断基準に挙げている。「許せるのは、自分が情報を精査したうえでAIに頼むケース。許せないのはみずから情報や素材をもたずに、『おすすめは?』と判断を丸投げすること」と語り、すべてをAIに委ねるのではなく、考えを深めたり判断をしたりするための素材や基準は、あくまで自分自身の中にもっておいてほしいという願いを示された。「AIに頼りすぎて自分で考えることが減っているので、生徒たちには自分の言葉で考えることを大事にしてほしい。また、面接対策などでは、AIによる無味無臭の表現で満足せず、自分をより魅力的に見せる方法を探究してほしいとも思っています」スライド作成の丸投げと投資判断の丸投げ「友達の回答を写す」のと本質は変わらない資料作成の丸投げはAIによる思考ジャックにならないか 読 者 の 先 生 方 も 、一 緒 に 考 えて みませ ん か?□悩むものは中間に置いてOKです。□仕分けの眼差しとして「これからの社会で自校の生徒にはどうあってほしいか?」を考えてみるのもおすすめです。□仕分けをしながら気づいたことを、メモしてみてください。ワーク2付箋に書いた活用例を「許せる/許せない」で仕分けしてみてください
元のページ ../index.html#18