それを指定のプロンプトを使って問題として適切かをチェックし、AIと会話しながら改善していく。さらに合否判定の基準も一緒に作り、自身が出題者として模範解答を示せるかのチェックまで行ったうえで、問題を教員に提出。教員が合格を出した問題がクラス内に公開され、各自で挑戦したい問題を選んで出題者のところへ行き、生徒同士で口頭試問を実施する。出題者は、設定した基準に基づいて合否判定する。「深く理解するためのツールとして生成AIを組み込んでおり、生徒も単に答えを出せることではなく理解していることが大事だとわかって使っていると感じています。口頭試問のプロセスは他教科の授業にも応用可能。幅広く活用いただけるよう、汎用的な形に整理する予定です」(椋本先生)椋本先生が自らの実践とほかの事例から実感しているのは、「生成AIは一方通行的な講義形式の授業に入り込む余地はあまりないが、生徒をアクティブにしようとするときは非常に有効」ということだ。特に同校のような中堅校では、生成AIを活用した授業や活動で生徒が成長する可能性が大きいという。「本校の生徒たちは伸びしろが大きく、受験勉強にとらわれ過ぎない自由さのなかで、面白いと思ったことにはものすごい力を発揮することができます。例えば情報Ⅱで実施したPBLでは、わからないことを生成AIに相談しながら、英語論文を参考にし、大学レベルの領域に自力で踏み込む生徒も出て驚きました。生成AIも活用しながら、いかに学ぶ楽しさに目覚めさせられるかがカギだと考えています」(椋本先生)世の中には「生成AIを使うと自分で考えなくなるのでは」と危惧する声もあるが、椋本先生は明確に否定する。「自動車を『歩く力が弱くなるから不要』と言う人はいません。生成AIもそれと同じです。学び方の選択肢が増え、その使い方次第で可能性は拡張するものではないでしょうか。大事なのは、思考力を育むためにどう授業設計するか。生成AIはあくまでツールですが、これを使って教育そのものが大きく変わっていくことを願っています」(椋本先生) 伸びしろの大きい生徒たちの学び方の選択肢を増やす□ □ □2026 APR. Vol.45838生徒が出題した「ノイマン型コンピュータの仕組みを教えてください」「著作物とはどのようなものであり、なぜ存在するのか」などの問題について、生徒同士で口頭試問を実施。その様子は動画で記録して教員に提出する。1962年創立/普通科/生徒数1,049人(男子508人・女子541人)/「知力・体力・人間力」を高めることを教育目標とし、学校行事や部活動が盛ん。2023・24年度に東京都の生成AI研究校。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 刊行物 >> キャリアガイダンス(Vol.458)情報Ⅰの授業がきっかけで本格的に生成AIを使うようになり、今では授業以外でもよく使っています。自宅で勉強するときも、たまに教科書にある以上のことを知りたいときや求めたい解答に向けた途中集計を素早く行いたいときなどに活用しています。自分はゼロからアイデアを生み出すことが苦手ですが、最初に生成AIにヒントをもらってから考え始められるのはとても便利です。今後も生成AIで自分の可能性を広げていきたいと思います。(2年生・松橋優輔さん)高校に入学したころから生成AIに興味をもち、自分の趣味や話題のニュースについて詳しく調べたいときに使うようになりました。今は自宅での勉強にも活用しています。AIだけに頼っていると自分の学びにはなりませんが、自分がもっている知識を活かしてAIと一緒に解いていくことでより良い解答が生まれ、それが自分の知識として身につくので、生成AIは勉強に使えるという実感があります。大学進学後は、新たな発見を目指して研究していくなかで、効率的に大量の論文やデータを入手してまとめるなど、多くの場面で生成AIが役立つだろうと思っています。(2年生・草島潤学校データ騎さん)情報Ⅰゼロからアイデアを生む助けになる自分の学びの質を高める
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