キャリアガイダンスVol.458
39/67

帯広柏葉高校 (北海道・道立)念を抱きやすい問題を5問出題。生徒は解答後、1人1問を選んで生成AIと対話しながら正しい概念を理解し、その内容をグループ内で共有して全問の理解を図った。そして次の時間、聞き方を変えて同じ問題を出題したところ、平均正答数は初回より大幅に上昇。「生成AIとの対話は誤概念の軌道修正に効果的」と手応えを感じたという。この時の対話履歴を分析すると、誤概念を修正するアプローチとして『要約・易化』『具体例の提示』『疑問への回答』を問いかける生徒が多かった。そのなかで普段から深い理解が見られる生で自由に活用できるようにしている。 「実際に試してみないと、どう使えるか、何に注意が必要かはわかりません。まずやってみる。そのなかでより良い使い方を学び、課題があれば対策していけばいいと考えています」(山□先生)教員はそれぞれの授業観を大切にし、そこにどう生成AIを活かすかを模索してきた。物理の小林哲也先生は、従来から「解き方」より「考え方」が身につくことを目指して授業を工夫している。「そこに生成AIは使えないのではないか」。当初はそう思いつつ、試しにグループワーク前半の調べ学習に生成AIを活用してみることに。すると、想像以上に調べる時間が短縮でき、生徒の思考・共有の時間を多く確保できた。その好感触から、「誤概念(日常経験から作られる思い込み)の修正に生成AIを活用できないか」と、試験的にある取組を行った。まず、「摩擦力の大きさは接地面積に比例する」のような誤概北海道内屈指の進学校である帯広柏葉高校。ICT教育で地域の学校を盛り上げようと、2022年度から近隣の高校と「十勝ICT推進プロジェクト」を立ち上げ、また、管内の高校の校長会が主宰するICT研修会では小・中学校や特別支援学校とも交流している。24年度には文部科学省指定の生成AIパイロット校となり生成AIの活用にも踏み出した。情報図書部部長の山□広平先生はこう話す。 「これからの社会をつくるリーダーとなることが期待される生徒たちだからこそ、大学入試という大きな目標を支えつつ、さらにその先の社会で生きる力を養うために、ICTや生成AIなど新しいツールを活用しながら生徒の学びを支えていく必要性を感じています」同校では、生成AIは「筆記具や辞書と同じ」という位置づけだ。生徒向けガイダンスや教員研修を実施して土台は整えるが、あとは最低限のルールの下筆記具と同じ感覚で生成AIの活用へ生成AIとディスカッション類推・反論する力を鍛える2026 APR. Vol.458写真左から理科・小林哲也先生、国語科・戸川貴之先生、情報図書部部長・山□広平先 生 、芸 術 科・松 久 充 生 先生。取材・文/藤崎雅子A I 時 代 の 「 考 え る 力 」を ど う 育 む か     39物理基礎

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る