キャリアガイダンスVol.458
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正大学は日蓮宗学・仏教学の研究・教育を目的として誕生した、戦前よりある伝統的な私学の一つです。戦後、仏教学部・文学部からなる新制大学として再出発し、高度経済成長期にかけて経済学部、経営学部、法学部という社会科学系の学部を展開。1990年代以降は、社会福祉学部、地球環境科学部、心理学部へと拡充してきました。奇をてらうことなく、これからの社会で必要な領域は何か見定めたうえで新たな学部をつくる。2021年4月設置のデータサイエンス学部もその一つです。早い時期の決断で、統計分野の優れた教授陣を揃えたこともあり、今春卒業の2期生も大きく成長し社会に羽ばたいていきました。同学部は埼玉県北部の熊谷キャンパスにあり、欧米の大学のように、学問に没頭できる環境があります。私自身、留学先の寮生活で実感しましたが、学びとは時間を区切って行うものではありません。学生が寝食を忘れて学問に向き合える環境を整えたく思います。そこで、敷地内の遊休資産を活用して地元企業とのコラボレーションセンターを建設したり、スタートアップ企業を支援するインキュベーションセンター的な施設を設立したりといった計画を、自治体や地元産業界と進めているところです。データサイエンスは、かつての〝読み書きそろばん〟のように、現代社会で必須となる教養、リテラシーになりつつあります。理数系に特化した学問ではなく、一見関係が薄そうなスポーツや観光も含め、あらゆる分野との掛け算によって真価を発揮します。例えば、同学部にはスポーツ特待生も在籍していますが、投球フォームの分析や体調管理にデータは不可欠です。卒業研究発表会でも、利き足によるトレーニング効果と記録の関係についての分析があり、興味を引かれました。ドローンを活用した生産管理など、立    農業分野での連携も視野に入れています。温暖化が深刻なこの地でどう効率的に作物を育てるか。地域課題の解決どころか新たなビジネスの種にもなるでしょう。起業という点では、品川キャンパスがある大崎・五反田界隈は、ITベンチャーやスタートアップが集積し、〝五反田バレー〟と呼ばれています。大手企業の出資によって誕生した元気のいいスタートアップも多く、本学の卒業生も含まれます。こうした地の利を活かして産学連携を推し進めていくほか、大学発のスタートアップを誕生させることが、私の任期中に成し遂げたいことの一つです。発想次第で画期的なことが実現できるのが、今の時代の面白いところ。中高時代、のんびり過ごしてきた学生だとしてもポテンシャルは無限にあり、こうした環境に触発され、とてつもない化学反応を起こすものです。本学の学生ならではの生真面目さや細部へのこだわり、モラルや調和といった長所に、データサイエンスという武器を掛け合わせることで、小さな研究室から世界を変える何かが生まれることを期待しています。学長プロフィール きたむら・ゆきのぶ●オックスフォード大学大学院修了。D.Phil. in Economics。経済協力開発機構パリ事務局事務官、日本銀行金融研究所研究員などを歴任。慶應義塾大学大学院商学研究科客員助教授、一橋大学経済研究所教授などを経て、2020年立正大学教授。データサイエンス学部長を経て2025年4月より現職。専門は、経済学、公共政策、応用計量経済学、応用データサイエンス。大学プロフィール 1580年設立の飯高檀林を淵源に1872年創立。仏教学部(宗学科、51仏教学科)、文学部(哲学科、史学科、社会学科、文学科)、経済学部(経済学科)、経営学部(経営学科)、法学部(法学科)、心理学部(臨床心理学科、対人・社会心理学科)、社会福祉学部(社会福祉学科、子ども教育福祉学科)、地球環境科学部(環境システム学科、地理学科)、データサイエンス学部(データサイエンス学科)の9学部16学科大学院7研究科を擁する。品川キャンパス(東京都品川区)、熊谷キャンパス(埼玉県熊谷市)2026 APR. Vol.458まとめ/堀水潤一 撮影/川俣満博

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