ことを、早野先生は次のように語る。「答えはわからなくても『その答えを見つける手順はわかっている』状態になってほしいと思っています。勉強に苦手意識をもつ生徒もいますが、社会に出た後も『必要なことは自分で学べる』という自信を手にして前に進んでほしいのです」自分で学ぶ一手段として、授業では生成AIも積極的に活用することにした。「生徒は日常で既に生成AIを使っています。私も使い倒してみて、『これは使える』『でも使い方を間違えると危うい』と感じました。生成AI抜きの世界にもう戻れないなら、生徒がこの道具を適切に使えるようにしたいのです。日々の学びに生成AIをどう生かすか、そこから生徒と一緒に考えることを大事にしています」「国語表現」の授業では、3年生が自分のライフヒストリーを描くことに挑んだ。過去を振り返り、未来を想像し、自分の一生の「目次」を立てたうえで、文章を作成し、写真や画像も入れて15枚のスライドにする。その創作を生成AIも活用して進める。早野先生は教室を巡りながら、一人ひとりの状況を把握し、図1のように個別に対応した。生成AIを使うにあたり、どこで躓くかは生徒によって違うからだ。取組全体を通して「教員と生徒の関係性」を更新することも狙っている。「生徒主体で言葉を学べるようにしたいんです。生徒の協同的な学びも増えまし「古典探究」の授業で、岐阜県立不破高手持ちのタブレットで、検索サイトや辞書、読解において着目したのが「敬語」だ。敬意が向いているか解き明かし、最終的にある生徒は、重要単語の読み方を知ろ音声を生成AIに文字起こしさせようと人物関係図そのものを生成AIに出さ参考にはできても、鵜呑みにはできないここうした授業で生徒に習得してほしい校の3年生は、歴史物語『大鏡』の読解に挑んだ。早野賢謙先生の作成したワークシートの設問に答えるために、おのおのが生成AIまで駆使して考える。尊敬・謙譲・丁寧の3種類があり、「誰から誰への敬意か」をつかむのが重要であることを先に学んだ。それを踏まえて重要単語や文法を調べ、どの文では誰から誰に物語の登場人物の関係図を作る。うと、『大鏡』を音読したサイトを見つけ、した。別の生徒は、本文の意味をつかむために、『大鏡』のテキストを撮影し、その画像を生成AIに訳させようとした。知りたいことにどうアプローチするかは自由に考えていい。早野先生はどんなやり方も否定せず、むしろ生徒の試みがどうすれば成功するかを一緒に模索した。せることに成功した生徒が「先生、わかりやすい関係図が出てきた!」と声をあげた。「正しいかどうかはどう確認したの?」と早野先生。「出典は、ない」と生徒が笑う。とをわきまえていた。テクノロジーの進展も踏まえ生徒が自ら学んでいけるように受け売りの言葉ではない自分の実感がこもる言葉を2026 APR. Vol.45852大学院で国語教育について研究し、修了後、講師を経て岐阜県の高校教員に。大学院時代より要約の方略習得について研究し、現在は国語の学習への生成AI の活用についても実践のなかで模索している。現任校では進路指導主事を務める。取材・文/松井大助 撮影/辻 吉裕
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