キャリアガイダンスVol.458
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たが、教員と生徒の関係は『教員が指導し、生徒が教わる』という構図でまだ固定されています。言葉の使い方や話の構成について、教員の私が提案や添削をすると、生徒はそれを無批判に受け入れてしまうところがあるんです」(図2参照)いうなれば、生徒が自分に合った言葉を獲得していくのでなく、指導者のもつ知識をそのまま頭の中に貯蔵していく状態。教育者パウロ・フレイレのいう銀行型教育に陥りやすいことに、早野先生は課題を感じていたのだ。それでは「言葉を自分のものにできない」と。そんななか、言葉の学習に生成AIを活用すると、ある変化を起こせたという。「生徒は文章作成にも生成AIを活用するのですが、その過程で『AIの提案に、生徒が疑問をもつ』『AIの提案から、生徒が好きなものだけ選び取る』という機会を作れたのです。AIに異を唱えるのは、教員に物申すより、心理的抵抗が少ないからですね。そしてその生徒の判断・選択について『なぜあなたはそうしたいのだろ教える・教わるの構図から抜け出し、協同や表現を探究する』のを手助けできると感じたのです」(図3参照)のにしていくと、何が起きるのか。もらおうと、早野先生は4月の最初の授業で、生徒にいつもこう投げかけている。色というか知っている?」と。らうように促す。すると、以降は夕日を目にしたときに、赤色でも橙色でもない「茜色」を感じられる。また、「茜色の空」という言葉を読むだけで、頭の中に、目の前にないその世界が作られていく。つまり、言葉が自分のものになると、「その言葉を通して世界をより深く知ることができ、想像や思考の幅も広がる」のだ。「言葉は、教師から学ぶだけでは身につきません。『嬉しい』も『つらい』も、そう言い表したいことを体験し、その言葉を使うなかで理解が深まり、自分のものになると思うのです。その過程では、例えば『林檎』という言葉に特別な意味を抱くようになる人もいますよね。実体験と結びつく言葉や、自分の歩みのなかで重みをもった言葉。そうした言葉を生徒が自ら発見し、その言葉を使って世界や人生のことを考えてほしいと思っています」う?』と教員が一緒に議論を交わすと、的関係のなかで『生徒が自分らしい言葉では、そうやって生徒が言葉を自分のもその先で味わえる感覚の一端にふれて「夕日が沈んでいくときの空の色って、何続いて「茜色」という日本語にしかない表現を伝え、その言葉を生徒の実体験、夕日を眺めたときの情景と結びつけても生成AIの回答・添削議論指導者協同的関係図1 授業における生成AI活用の個別サポート発問・指示のサポート判断・選択のサポート図2 指導者と学習者で進める教育(銀行型教育)53図3 AIと指導者と学習者で進める教育(問題解決型教育)※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 刊行物 >> キャリアガイダンス(Vol.458)生徒の考えたアプローチの承認/改善策の提示/別のアプローチの提示AIの作成した回答の「正しさ」や「本人にとっての適切さ」を問う指導者(読み・書き等の熟達した能力をもつと認識され、権威性がある)AIに生徒が求めていることとそのアプローチの妥当性の確認生徒の判断・選択を深掘りして意図を明確化→自分の言葉をつくる個別指導 or 協同的な学び指導学習者(指導者の添削に従う)「古典探究」の敬語学習のスライド。20枚以上あり、早野先生から校長先生への敬語など、現代との結びつきも見える内容になっている。ワークシートの設問についてタブレットで調べる。「生成AIに聞くと、関連情報まで出してくれるのが結構面白い」という生徒もいた。個々の作業を早野先生も支援。設問の答えは知っていても、そこに生成AIでどうアプローチするかは定まっておらず、生徒と一緒に考える。2026 APR. Vol.458「何を知るために(何を作成するために)、AIにどんな指示を出している?」「何がうまくいっていない?」「その指示の仕方、いいね!」「それを求めるなら、より具体的にこう指示したら?」「その点について回答が欲しいなら、ほかにこういうやり方もあるかもね」「これって正しいの?」「AIが正しいわけじゃないから『変えたい』ところは変えないと」「AIが打ち出した文章の中から、自分に合った言葉を選ぶことが大事やで」「なんでここは『AIがおかしい』と思ったの?」「(複数のワードから)この言葉を選んだ理由を聞いてもいい?」参考・批判的思考→AIへの疑問(課題の発見)参考・批判的思考→AIへの疑問(課題の発見)学習者     

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