キャリアガイダンスVol.459
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地域の食と人のつながりが私を成長させてくれるす。地元の鶴岡は、在来作物※の多さや郷土料理の食文化を評価され日本初のユネスコ食文化創造都市に認定されました。私は2023年に市の「次世代ガストロノミーコンペティション」(以下、コンペ)に参加してグランプリを受賞。それ以来、郷土料理に関するさまざまな活動に参加させていただいた経験から、この素晴らしい食文化を地元の人や、子どもたちに伝えていきたいと考えています。でも実は、コンペに出るまで、鶴岡の食文化のすごさにまったく気づいていませんでした。父が料理人、祖母も料理上手で祖山     母の家庭料理が郷土料理だったのですが、自分にとっては当たり前の日常。おいしいものを作って人を喜ばせられる祖母や父をかっこいいと思っていたので、漠然と料理人になりたいと考えていました。高校時代の進路選択でその気持ちが固まり、調理の専門学校に進学後、現在の会社に就職しました。新人の頃は料理人としての技術を磨くことばかり考え、料理人の娘というプライドもあり突っ張っていたこともありました。でも、ある日恩師である当時の料理長から、「お客さまのためにおいしいものを作りたいとか、喜ばせたいという気持ちを込めて作らないと、いくら技術が高くても喜んではもらえないと思うよ」と言われて。自分が料理形県鶴岡市の結婚式場グランドエル・サンで料理人をしていま人を目指した原点を思い出しはっとしました。恩師が定年退職するタイミングでコンペの話を聞き、自分が成長した姿を見せられたら恩返しになると考えて参加することにしました。コンペのテーマは「郷土料理や在来作物といった鶴岡独自の食文化や歴史の伝承」。さらに、在来作物の生産者や郷土料理の指南役とペアでメニューを開発することが条件でした。職場に、いつも手作りの差し入れを持ってきてくれる佐藤八重さんという方がいます。祖母の味を思い出し、祖母と重ねて見ていた八重さんに指南役をお願いしました。参加を決めて初めて在来作物を調べ、その多さに驚きました。鶴岡市羽黒町松ヶ丘は旧庄内藩士が開墾してできた街。街を歩いて当時の藩士たちの気持ちを想像したりしたときに、彼らがいなかったらこの街も自分も存在していなかったと気づきました。そして、松ヶ丘の郷土料理「いもごぼたもち」を再構築し、一皿の中で鶴岡の風景と、過去・現在・未来を表そうと考えたメニューでグランプリを受賞できたのです。家族の存在、恩師や八重さんとの出会い、刀を鍬に持ち替え庄内を立て直した庄内藩士に思いを馳せることを経て、技術を磨くだけでなく地域の食文化を次世代へつなぐ視点をもてました。鶴岡は、料理人として、人間として私を成長させてくれる場所です。2026 JUL. Vol.45912さとう・なぎさ●1997年山形県鶴岡市生まれ。山形県立庄内総合高校、酒田調理師専門学校卒業後、結婚式場のグランドエル・サンを運営する会社に就職。2023年、鶴岡食文化創造都市推進協議会主催「第3回次世代ガストロノミーコンペティション」グランプリ受賞。※在来作物…特定の土地で長年栽培され、種苗の維持がされながら、地域の食文化に根づいてきた作物取材・文/長島佳子 撮影/加藤隆介株式会社エルサン フード&ビバレッジ事業部 主任 佐藤 渚さん

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