「地方よりも大規模都市のほうが、魅力的な仕事や成長機会が多い」と、よく言われます。しかし、必ずしもそうとは言えないのではないでしょうか。これは、私自身の体験に基づく実感でもあります。大学卒業後、東京の経営コンサルティング会社に勤めた私にとって、転機となったのが、東日本大震災の翌年に被災地を訪れたことです。まだあちこちに瓦礫が残るなか、地域の若い人たちが「自分たちの手で、街を作っていこう」と熱く語り合う姿に、大きな衝撃を受けました。そして会社を辞めて、縁もゆかりもない岩手県釜石市へ飛び込んだのです。釜石市役所で勤めた9年間は本当に学びが多く、正直なところ、東京で勤めた4年間よりも、はるかに人間的に成長できたと感じています。その「成長できた実感」は、一体ど地域の「心臓」として働く自分の役割の大きさとバッターボックスの立ちやすさ青森大学社会学部准教授/社会連携委員長石井重成さん 産官学の経験があり、各地の地方創生事業や人材育成、キャリア研究に携わる石井重成さんに、地域に根ざして働くことの、真の価値とは一体何か?多様な形で地域に根ざすローカルキャリアの歩み方と地域をフィールドに、生徒たちにもたらしたい視点や経験について解説していただきました。地域に根ざして働くことの、真の価値2026 JUL. Vol.45920いしい・かずのり●国際基督教大学を卒業後、経営コンサルを経て東日本大震災を機に岩手県釜石市へ移住。官民連携の復興まちづくりを推進。2021年より青森大学に着任。研究領域は地方創生と震災復興。各地の地域活性や組織開発も手掛けている。取材・文/塚田智恵美 撮影/工藤恵美「地域を出るか、残るか」の二択を超えてローカルキャリアという歩み方
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