久校長)の□遊祢 の産業課だ。前例のない長期実習に困惑する事業所を一軒ずつ回り、協力を求めた。現在、産業課で同事業を担当する伊藤正美さん(写真左上)は苦労や意義を語る。 「産業課としては、単なる職場体験ではなく、人材確保や地域貢献につながることを期待して事業所に協力をお願いしています。役場も事業所の一つとして生徒さんを受け入れますが、福祉や教育など多岐にわたる部署の業務を経験してもらうことで、『役場が自分たちの生活に、これほど関わっているとは知らなかった』という声ももらいます」協力事業所にもそれぞれ、高校生を受け入れる明確な理由がある。ボディケアサロンCananaを営む祢□□津香奈さんは、生徒を〝一人の経営者〟として扱う。「雇用されるだけが仕事ではなく、自分次第で仕事は生み出せる」という起業家精神を学んでほしいからだ。また、遊佐企画の遊佐亮太さんは、空き家を再生した宿泊施設の開業準備を進めており、そこを実習の舞台とした。町議としても関心をもつ空き家問題を若い世代と考えたいからだ(詳細は下段)。実習翌日の木曜放課後には、教育コーディネーター主導のリフレクション会が行われる。グループワークを通じて「何が起き、どう感じたか」を語り合い、体験の言語化を促す取組だ。他者の視点に触れることで自身を客観視し、次週に向けた意欲を育む。9月末に開催される成果発表会はその集大成だ。ポスターセッション形式で、仕事の内容だけでなく、半年間を通じた心の葛藤や変化をグラフにしながら自分の言葉で実習を振り返る。近藤信司教頭は、こう話す。 「地域みらい留学の1期生と関わったあと、私は一度遊佐高校を去り、教頭として戻ってきたのですが、リフレクションを充実させたことで成果発表会のレベルが格段に上がったことを感じます。半年間の実習中に生じた『今回はがんばれた』『今日は辛かった』という感情の上がり下がりを言語化しておくことで、半年後の発表にも気持ちがこもり、生き生きと伝わるんです」発表会には、事業所、保護者、教育関係者に加え、遊佐中学校(石黒3年生約100人がバスをチャーターして見学にくる。こうした交流は、一時期落ちこんでいた地元中学校から遊佐高校への進学率が回復する契機になっている。また、実習先に就職する例もあるなど、生徒の地元でのキャリア実現にもつながっている。ただし課題もある。行政には予算や公益性、学校には教育課程やリスク管理、民間には本業との兼ね合いなどの事情があり、切り取る箇所によっては濃淡も生じる。それに対して、事業所と学校のパイプ役を自認する地域おこし協力隊の松尾尚□□記さん(写真左上)は次のように話す。 「立場によってズレが生じるのはごく自然なこと。直接は言いにくい本音を拾い上げ、リフレクション会と成果発表会遊佐企画代表取締役□□遊佐町には約4800世帯に対して昨年末時点で600軒以上の空き家があります。この深刻な問題を考えるため、自ら空き家を再生し、宿泊施設として開業する準備をしています。残置物の処理など想像以上の出費や労力がかかりますが、貴重な経験です。実習に協力したのは、この問題を私1人でどうにかするのではなく若者と考えたかったから。期待しているのは、遊佐高校に「空き家リノベ部」ができること。社会課題の解決に高校生が関わり、町の活性化につながるような理想を思い描いています。日本海運輸□□□ボディケアサロンCanana代表□□28(右)デュアル実践翌日のリフレクション会の様子。担当は教育コーディネーターの下村俊太郎さん。(中)田植えを手伝う教育コーディネーターの鈴木晴也さんたち。(左)中高生のサードプレイス、遊佐駅前の「おでこBASE」にて。受け入れ初年度に祢津さんが作成した綿密な計画書。2026 JUL. Vol.459当社は運送業ですが、高校生に運転はさせられないため、タイヤの交換やホイールの塗装、洗車などを通じ仕事に対する責任や誇りを伝えています。トラックを美しく保つのはお客さまに安心を与えるのと同時に、ドライバー自身の自覚を促すため。生徒1人に2人のスタッフが付くこともあり負担は少なくありません。協力を始めた11年前は「採用につながれば」という思いもありましたが、今までそれはかなわずです。それでも続けるのは、若い世代の感覚に触れられるから。遊佐で育ち、遊佐で商売を始め、遊佐の道を使わせてもらっている以上、道を掃除するのと一緒で、恩返しの心で協力しています。デュアル実践の受け入れは今年で4年目。地元の子もいれば県外生もいるし、性格も一人ひとり違います。接客が苦手な子には、技術習得で自信をもたせるなど、その子の特性や長所を活かす工夫をしています。私自身、教え方や接し方を学ぶ機会になっていますし、毎回「もっとこうすればよかった」という反省や発見があります。よく、地方には仕事がないと言われますが、どこに住んでいても「自分の腕次第で仕事は生み出せる」という選択肢があることを、ここでの実習を通じて高校生に知ってほしいです。佐亮太さん谷 浩さん(右)渋渋谷春樹さん(左)津香奈さんデュアル実践協力事業所の想い
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