流れに変更した。生徒から生まれた問いを生成AIで分類してゼミを設定し、そこに担当教員を割り振っている。「人から与えられるテーマに面白みを見いだせないと〝やらされ探究〟になってしまいます。そうならないよう、生徒自身が本当にやりたいと思うことをとことん突き詰められる楽しい時間にしたいと考えました」(山口先生)このように生徒の興味・関心を起点に 探究を進めていくうえで、3つの視点を重視している。その1つ目は「調べてもわからない問いづくり」だ。書籍やインターネットで調べればすぐわかる問いは、探究には向かない。だからといって壮大な問いは、生徒自身のアクションにつながりにくい。そのため、生まれた問いを手が届くところまで徹底的にブレイクダウンしていく。例えば、「地域の人」なら子ども、高齢者、子育て中の人などに、「学校」なら小学校、中学校、特定の一校などに具体化する。そのなかで「自分たちがなんとかしたい!」という思いを高めていく。全体が同じレベル感で取り組むためのツールとして「問い・課題チェック項目」を作成し、生徒・教員に配付している(図3)。「生徒は問いができたらその内容を担当教員にプレゼンし、チェック項目がすべてクリアになったら情報収集の段階に進めます。また、担当教員は、手が止まっている生徒がいたらチェック項目を基に問いかけることで思考を引き出す支援をしています」(山口先生)2つ目の視点は「調べなければわからない情報収集」だ。設定した問いについて、生徒自身が現場に足を運んで話を聞いたり実験をしたりし、五感を使って一次情報を集めることを重視している。その手始めとして、1学年全員が探究型インターンシップに取り組む。生徒一人ひとりが関心のある企業・団体を自ら探して依頼して職場体験を実施することで、「学校を越えることは難しくない」「学校は自分のやりたいことを尊重している」という意識づけを図っている。そのうえで、2学年では探究グループごとに実施したいフィールドワークを自ら企画・実施することを促す。週1回の授業時間以外に行うことも可能にするため、生徒が計画書を作成して申請し、承認されれば公欠扱いとする「申請型フィールドワーク」の仕組みを整備(図4)。これを活用し、遠方に出掛けてフィールドワークを行う生徒も多い。「あえて単位数を増やさず、1単位でもここまでできるのだ、ということを示していきたいと考えています」(山口先生)3つ目の視点は「小さなアクションを!」。課題解決策を考えるだけでなく、何らかのアクションを起こすことをゴールとしている。実際に、地域でさまざまな活*キャリア教育における「基礎的・汎用的能力」に着想を得た「知性を磨き、品性を高め、情操を養い、高き理想に向かって歩む」を教育目標とし、主体性・社会性・人間性・将来性・国際性の育成を目指す。2024・25年度群馬県ステューデントエージェンシーハイスクール指定校。2023年度から取り組む探究プログラムiTanQで三菱みらい育成財団「みらい育成アワード2025」カテゴリー1(東地区)グランプリ受賞。2004年設立/普通科・グローバルコミュニケーション科生徒数833人(男子452人・女子381人)進路状況(2026年3月卒業生)大学219人・短大6人・専門学校25人・就職3人・その他13人「私は何をしなければならない?」「私は何をしたい?」iTanQ“スクール”【もっと自分事】iTanQ“スタディツアー”【自分の足で、目で】社会iTanQ蒼穹「総合的な探究の時間」【自分事】【アクション】過去「私は何ができた?できない?」「じゃあ、私は、今、何をしなければならないのか?」未来iTanQ“X”【繋がる】iTanQ“+”【欲張りたい】他者「一人ではできないことも、仲間とならば、できないか?」今探究部企画・戦略リーダー松本誠仁先生探究部長山口将史先生「自分でも、社会に対して何かできることはないか?」2026 JUL. Vol.459図1 「iTanQ」の全体像図2 伊勢崎高校の「エージェンシー」の捉え方45
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