2026 JUL. Vol.4591984年初芝高校富田林学舎開設。翌年初芝富田林高校として独立。2025年の学校法人名の変更(大阪初芝学園から利晶学園へ)に合わせ、2026年4月現校名に。高校1年次は文理Ⅲコース、文理Ⅱコース、文理Ⅰコースの3コース制。2年次より国公立型のS文理コース、私立型のG文理コースに。希望者対象に12日間のセブ語学研修やオックスフォード大学短期留学なども実施。やすだ・えつじ/1966年生まれ。大阪教育大学教育学研究科修了後、初芝富田林中学校高校(現 利晶学園中学校高校)数学科教諭。2002年初芝中学校高校(現 利晶学園大阪立命館中学校高校)に移り、立命館大学との提携を軸とした学校づくりを推進。学年主任、進路指導部長、立命館コース主幹、教頭を経て2020年初芝橋本中学校高校校長。2021年4月より現職。まとめ/堀水潤一 撮影/稲山智紀 「はつとん」の愛称で長く親しまれてきた初芝富田林中学校高校は、学校法人名の変更に合わせ、2026年4月「利晶学園中学校高等学校」と校名を改めました。本校はこれまで、非英語圏を対象とした選択制修学旅行に象徴される国際教育のほか、デジタル地球儀やAIも活用したデータサイエンス教育や「DX探究」など、文理の枠を超えた多様で先進的な教育を展開してきました。こうした蓄積を深化させていくには、校舎のある富田林周辺だけではなく大阪市南部を含めた広い範囲を対象としたいと考えての決断です。 校名の利晶は、学園創立の地であり法人本部がある堺市ゆかりの偉人、千利休と与謝野晶子の名に由来します。古くより世界に開かれ、先進文化の中心であった堺近辺を表すのにふさわしく、本校が目指す教育に合う校名だと考えています。学校法人利晶学園は本校のほか、複数の中学校や高校を有しますが、今回の校名変更は、本校を学園のフラッグシップとして位置づけ、新しいステージへ踏み出す宣言でもあるのです。利晶学園中学校高校(大阪・私立)53 コロナ禍を経た今、グローバル化の再燃や紛争、気候変動、生成AIの台頭など、私たちは世界とのつながりをより意識させられています。学問は細分化しながら発展してきましたが、木を見て森を見ない学びは、物事の本質や本来あるはずのつながりを見落とします。そのため教育目標も「本質を問い、つながりで世界をとらえる」へと進化させました。 そして、この教育目標を具体のカリキュラムに落としこむため2027年4月、普通科から文理学科へ学科を変更します。私立高校における学科変更は審査に多大な労力を要しますが、全教職員が教育内容を見つめ直し、内外に本気度を示す決意表明の機会となっています。 新学科では、全員が理系的な論理性と文系的な洞察力をあわせもった「文理融合の視点と思考の方法」を身につけます。テーマの柱にしたいのは「宇宙」です。宇宙は物理や工学だけではなく、医学、生命、歴史、文学、倫理、経済、芸術などの視点からもアプローチできる究極の学際領域です。悠久の時間軸の中で自身を多方面からとらえる視点を身につけてほしいのです。 「思考の方法」としては「対話型論証モデル」を5教科の授業に導入しています。ある問題に対して、他者と対話しながら、根拠を基に主張を組み立て、対立する意見への反駁を経て結論を導く活動であり、提唱者である京都大学名誉教授の松下佳代先生を顧問に迎え、3年前から研修や研究授業を重ねてきました。授業で中東問題を扱った際は、議論が白熱し、帰宅後もチャットで対話を続けていたクラスがありました。「生徒はこんなにも深く考えるんだ」と感心したベテラン教員が公開授業に積極的になるなど、全校的な取組にしたことで職員室にいい風が吹いています。 本校には切磋琢磨しあう文化があります。教員と生徒は、学校を良くしようという共通意識の下、地域から世界へ開かれた学校を目指しています。本質を問い、つながりで世界をとらえるための文理融合の視点と思考の方法文理を超えた先進的な教育を深化させるべく校名変更を決意
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