キャリアガイダンスVol.459
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点を見つけた生徒が、この問題の構造である重複順列を捉える起点となっていた。こうした授業で学んだ生徒たちは、テストの成績でもほかと見劣りせず、五味先生はその点も前向きに捉えている。「数学の授業で生徒主体の探究的な学びを推進することには、『時間的にも知識の面からもテストや入試に対応できなくなるのではないか』と懸念される先生もいらっしゃいます。私としては、『生徒主体の学びでも知識は十分に身につきます』ということを、僭越ながら日々の実践を通して示していけたら、とも思っているんです」県内でその思いに賛同する数学教員も現れ、現在は皆で授業実践を蓄積、ゆくゆくは体系化して公表することも目指している。また、校内では、校長主導で「日本一の学び」を全教員で探究する取組が始動。異教科で構成された数人のチームに分かれ、教科横断で授業のあり方を模索するようにもなった。「この仕事で一番嬉しいのは、『もっと数学を学びたい』『家で数学を1時間勉強するようになりました』といった前向きな行動の変化を生徒に言われたときです。これからも、学びに向かう姿勢そのものが変わる瞬間に立ち会えるよう、妥協せずに教材研究に向き合い続けたいと思います」五味先生の実践に対して、生徒からは「数学の授業がこんなに自由だとは思わなかった」という感想がよくあがるという。教えられたとおりに問題を解くのではなく、問題について自由に話し合い、自分たちで見出したことを数学で表現していく活動だからだろう。数学の得手・不得手にかかわらず、多様な生徒が「自分の発言が問題解決に役立った」と実感できる授業でもあり、それが個々の自己効力感や積極性を高めている面もある。例えば文字を組み合わせるパスワードの問題を話し合ったときも、「同じ文字は何回も使えるの?」という数学の知識に頼らない疑問自分たちで考える楽しさを知りもっと数学を学びたくなる□□□□□□□左から、2年生の渡邉あおいさん、長嶋采川田蕗虹さん、加茂埜乃さん五味先生の授業では、問題を提示したうえで、「使えそうな数学的アイデアは何か「数学でどう表現できるか」「数学的な処理で何がわかったか」を生徒主体で考えていく。問題発見や意思決定の力を高めるためだ。2026 JUL. Vol.459音さん、3年生の生徒が問題を解くなかで学びを得ていく流れにしたいとき、一連のプロセスのどこに理解するのが難しいところが出てくるだろう? その点をとことん考えることを、五味先生は教材研究のベースにしている。校内で教科横断の授業探究が始まったことで、ほかの教科の先生方も授業を見学していた。「熱い思いをもった先生方なので、いろいろな意見をぶつけ合って、切磋琢磨していきたい」と五味先生は語る。生徒にとって理解しづらい点は、外側から「丁寧に教える」だけでは腹落ちしない。生徒が自然に思考するなかで、なぜそうなるのかの意味を内側から構成していけるよう、「対話して皆で考える」ことを大事にしている。授業の冒頭では、問題を解くのに活用できる学習済みの知識にふれ、授業の結びでは「次に何やると思う?」と今日の学びをどう発展させられるか想像することも促す。単発の理解ではない、体系的な理解にするためだ。   物事を多角的に捉えて問題解決を目指すように──五味先生の授業の特徴を教えてください。渡邉さん 先生から教わる一方通行の授業ではなく、生徒自身がたくさん考えて話し合う授業です。加茂さん 教科書を開く前に、問題を解くんですよ。長嶋さん 教科書に載っていない別解とかもみんなで話し合って考えます。それがとても楽しいです。川田さん わからないことがあると、顔色とかで察知するのか、先生のほうが聞きにきてくれます。──授業で成長したと思う部分はありますか?長嶋さん 勉強への向き合い方です。前はひたすら問題を解いていたのですが、点数が伸びなくなって…。公式の成り立ちなどの大元から理解していったら、解くのが楽しくなり、発想も広がりました。加茂さん 「考えて解く」ことができるようになったと思います。一つずつわかっていくと、難しそうな問題も解き方が見えてきて。数学を楽しめるようになり、苦手意識が消え、理系を選択しました。渡邉さん 物事を多角的に捉える力がついたと思います。数学以外の日常の問題でも、いろいろな視点から解決できないかを考えるようになりました。川田さん 誰かの「わからない」に耳を傾け、まわりと共有し、みんなで解決していくことを学びました。そうした姿勢をこれからも大事にしたいです。・ 自分で状況を整理し、見通しを立てながら、問題解決を進め、意思決定をしていく力を育みたいです。・ すぐに答えが出ない状況のなかでも、自分のもつ知識や経験を基に問題と向き合い、他者との対話も重ねながら「考え続ける」ことができる人になってほしいと思っています。生徒INTERVIEW57理解の困難性に目を向ける対話的な学びで生徒が知識を構成問題と向き合って生徒が考える理解したことをつなげていく

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