■高校生や保護者に わかりやすく伝える答)では、最も高い割合を示したのは、「成績上位者を支援するため」(75.8%)で、ここでも独自奨学金では学力が重視されていることが示されている(図表17)。次いで、「教育理念に合う学生を支援するため」(44.3%)、「スポーツ・芸術分野等で優れた資質をもつ学生を支援するため」(33.3%)となっており、「地方出身の学生を支援するため」(15.3%)や「地元出身の学生を支援するため」(12.8%)はあまり多くない。設置者別で見ると、特徴が表れる。公立大学で「地元出身の学生を支援するため」が33.3%と高い割合を示しているのが目立つ。これに対して、私立大学では「成績上位者を支援するため」が78.2%と最も高いが、「教育理念に合う学生を支援するため」、「スポーツ・芸術分野等で優れた資質をもつ学生を支援するため」もそれぞれ45.6%、38.4%と高くなっている。また、私立大学のみ「地方出身の学生を支援するため」が18.4%となっており、国立大学と公立大学では皆無である。国立大学では、「成績上位者を支援するため」が60.5%と最も高いが、「教育理念に合う学生を支援するため」も44.2%と高くなっている。このように、基準としては学力重視であるものの、設置者別に詳細に見ると、独自奨学金による支援の目的は大きく異なっていることが注目される。独自奨学金の導入には、複数の目的がありうるので、先の「授業料設定の際、参考にする大学」と同じように、それらの関係を多重クロス表で分析する(図表18)。最も多いのは「成績上位者を支援するため」のみで国立大学10校、私立大学61校、計71校となっている。次いで、「成績上位者を支援するため」に「教育理念に合う学生を支援するため」の2つの目的をあげたのが、国立大学10校、公立大学2校、私立大学47校、計59校となっている。次いで、「成績上位者を支援するため」に「スポーツ・芸術分野等で優れた資質を持つ学生を支援するため」の2つの目的をあげたのが、国立大学1校、公立大学1校、私立大学46学費や奨学金が多様化することは、学生や保護者にとっては、選択肢が増えるため、望ましいことは言うまでもない。しかし、多様化は複雑化を意味し、とりわけ奨学金に関しては、学生や保護者にとって、分かりにくくなっている。それに対して、大学がどのように説明をしていくかは極めて重要な課題である。調査では、このような関心から、8つの選択肢を設け、複数回答で大学の対応をたずねた。最も高い割合を示したのは、「入学案内等で、学費や奨学金の説明を行っている」の98.8%で、ほとんどの大学が実施している。次いで、「ガイダンスなどで説明を行っている」(78.6%)、「学費校、計48校となっている。さらに、これらの3つの目的をあげたのが、国立大学1校、私立大学39校、計40校となっている。ここまで、目的として全て「成績上位者を支援するため」が含まれている。それらに次いで、ようやく「教育理念に合う学生を支援するため」という目的のみをあげる大学が、国立大学6校、私立大学26校、計32校となっている。多重クロスでは、「地元出身の学生を支援するため」や「地方出身の学生を支援するため」は目的としてあがってこない。や奨学金についての説明会や相談窓口を設けている」(69.0%)となっている。「授業料・奨学金に関して、学生や保護者を個別に支援する制度がある」大学は30.0%、「学費値上げの際には、資料を配付し説明を行っている」大学は16.3%とあまり多くない。設置者別には有意な差は見られないが、規模別には、「入学後特に必要な学生に対しては、個別に学費の免除等の相談を行うことがある」という項目について、「1,000人未満」では48.9%、「1,000人以上3,000人未満」では52.1%、「3,000人以上1万人未満」では53.5%、「1万人以上」では61.9%と規模が大きくなるほど実施率が高まる。これはスタッフなどの資源が多いためと考えられる。1リクルート カレッジマネジメント177 / Nov. - Dec. 2012学費・奨学金の説明・学生・保護者への「個別相談」に課題
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