まず授業は極力分かりやすく、学生をやる気にさせる工夫を取り入れることを全学挙げて推進しています。「ティーチング・メソッド」と称し、各教員がその開発・充実を進めていくように、01年から毎年ティーチング・メソッド研究会を開催。「学生が選んだベスト・ティーチャー賞」も表彰しています。近年はそれをさらに進め、「ラーニング・メソッド(学習者本位の教授法)」の研究にも取り組み始めています。授業の枠を超えた「体験型学習」の場も豊富に用意しています。スポーツ、デザイン、ビジネスの各分野で社会とつながる「アカデミー」を設置し、そのなかで例えば地域の子どもたちにスポーツや芸術、デザインなどを教える「キッズスクール」を開講したり、学内外の作品展をプロデュースする「デザインアカデミー」を開講。学生に積極的に参加してもらっています。また、「公務員大化け道場」という公務員対策講座をスタートしました。地方公務員試験に特化した対策講座を行い、正課授業ともリンクさせ、単位としても認定。このようにあらゆる学びを学生の「大化け」につなげようと一貫させています。本学の経営スタンスを一言で表すならば、それは大坪前学長時代から続くことですが、やるべきことは何ら「民間企業と変わらない」ということです。大学も環境変化にダイレクトに影響を受け、当然のこと浮き沈みはありますし、最悪の場合、倒産もあり得る。そのつもりでこれまでも経営してまいりましたし、今後も変わることはないでしょう。経営において大切にしていることのひとつは「スピード」です。経営環境の変化にできるだけ「早く」気づき、「早く」意思決定し、「早く」行動する。それが肝心と考えています。構成員がある程度同じ方向を向いている組織でなければ、こうしたことは不可能です。そのための土壌づくりが何より重要です。例えば本学では、毎年4月に学長が具体的な方針を打ち出します。それに基づいて学部長や事務局長といった現場のトップが自らの方針を定めます。それを受けて続くメンバーが自らやるべきことをまとめておきます。各々がそれらの書面に時おり目を通し、自ら決めたことを実践できているかどうか確認してもらっています。また、教員組織のなかに各種委員会があるのですが、その委員長や、事務方の管理職には毎月業務報告書を提出してもらっています。それを全ての教職員が共有することで、外部の経営環境が今どう変化しているのか、それに対して内部のどの組織がどのように対応しようとしているのかがリアルに把握できます。これはすばやい意思決定に大変役立っています。さらに、職員対象のマネジメント研修を数多く実施したり、職員からの提案を奨励する「一善一改革」運動を推進するなどSDにも力を入れています。学生減少の時代にあって、こちらが何も行動を起こさなければ学生が減っていくことは目に見えています。すなわち、何かをすれば常にリスクがつきまといますが、しないことのリスクも大いにある時代だと言えるでしょう。従って常に行動をしていかなければなりませんが、教職員各々の努力により、それが可能な組織に少しずつ成長してきたと感じています。地域貢献についても、本学では個々の教員やゼミナールの取り組みとしてではなく、大学全体の取り組みとして、スポーツ産業やコンテンツ産業の発展に寄与することを目的に活動をしてきました。この地域貢献というミッションをさらに推し進めるために、以前からある研究所・研究センターを包括した「静岡産業大学総合研究所」を創設しました。また、学園は「第3次創業」という信念をもって「新静岡学園」として生まれ変わりました。私たちはこれからも、社会にもっと多くのイノベーションを巻き起こしていきたいと考えています。リクルート カレッジマネジメント177 / Nov. - Dec. 201235今後は「やらない」ことがリスクになる
元のページ ../index.html#35