カレッジマネジメント177号
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社会進出を建学時から支援女子大である日本女子大学の特徴2011年に創立110周年を迎えた日本女子大学は、「就業力育成」や「キャリア支援」の概念が登場するはるか以前から、相当する人材育成を行ってきた長い歴史を持つ。蟻川芳子学長は、「この課題に対する認識は、創立者の建学の精神に表れています」と言う。「女性が社会で働くなどとは考えられていない時代に、女性を社会に進出させようという精神に基づいて創立した大学です。女子を『人として、婦人として、国民として教育する』という方針を掲げました。現代風に言えば『人として、女性として、社会人または国際人として』となります」創立初期から、卒業生には各界で女性の道を切り開いていった錚々たる顔ぶれが並ぶ。女性科学者のパイオニアとリクルート カレッジマネジメント177 / Nov. - Dec. 2012蟻川芳子 学長・理事長連載 ⑧なった丹下ウメ、日本の家政学を確立した井上秀(第4代校長)、女性解放運動で知られる平塚らいてう。心理学者で戦後参議院議員となった高良とみ。第6代学長も務めた上代タノは新渡戸稲造に師事した平和運動家だ。「社会に進出していったこのようなロールモデルが1回生からいるので、それを見て次の世代が自分たちも頑張ろうと奮い立つ、そういう連鎖が創立以来ずっと続いているのです」(蟻川学長)。より身近なロールモデルとして、教員の男女比率がほぼ1対1という現状がある。職員は約65%が女性だ。「本学は学内保育園も1971年にでき、子どもを預けながら休まず仕事を続けられる職場環境も整っています。私も2人の子どもがお世話になりました。学生はそうして働く女性の姿を常に見ているわけです。そのようなことも、学生への一つのメッセージになると思っています」(蟻川学長)男子の学生がいない女子大では、女子学生が何でも自分でするのがごく自然だ。それに加えて日本女子大学では、創立者が学生の自治を重んじたため、学生が自治によって学業と学生生活を営んでいく風土が色濃いという。また蟻川学長は、「特に女性は男性よりも協働、人と助け合いながら作業ができる気質を持っているように思えます」と指文部科学省「大学生の就業力育成支援事業」は昨年度で終了したものの、就業力育成はますます大学教育の重要な課題となっている。各大学が活動の方向性を模索する中、地域産業人材の育成や地域経済の活性化にもつながるような就業力育成の取り組みが注目されている。開始から丸1年が過ぎたこの連載では、文科省の就業力育成支援事業採択校に限らず、産業界との連携や地元自治体との協働によって学生の就業力を高めることに成功している事例などを、積極的に紹介していきたい。今回は、社会で広く活躍する女性を輩出し続ける日本女子大学を取り上げる。蟻川芳子学長・理事長(以下、学長)と学生生活部キャリア支援課の黒田文子課長にお話をうかがった。55日本女子大学就業力を育成する建学の精神に基づく学びそのものがキャリア教育に

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