■授業料設定の際、参考にする大学は「高すぎる」と考える大学が多く、私立大学では逆に少なくなっている。授業料設定の際に、各大学はどのような大学を参考とするのであろうか。設置者や大学の特性によって、参考にする大学は異なると考えられる。ここでは、参考にする大学(ベンチマークする大学)について、6つの選択肢を用いて複数回答でたずねた(図表2)。その結果、「専門分野の近い私立大学」が57.8%と最も高い割合を占め、次いで、「近隣の私立大学」(49.0%)、「定員規模が同程度の私立大学」(34.7%)、「国公立大学」(28.0%)と続き、「入試難易度が同程度の私立大学」は15.3%と少数である。なお、「その他」では「女子大学」や「同一法人の大学」などがあげられている。設置者別に見ると、国立大学と公立大学では、「国公立大学」が9割以上(それぞれ96.6%と90.6%)を占めていて、私立大学をほとんど参考にしていない。これに対して、私立大学の場合には、「専門分野の近い私立大学」が約4分の3(74.2%)、「近隣の私立大学」が6割以上(62.6%)、「定員規模が同程度の私立大学」が4割以上(44.5%)と、複数の基準を参考にしていると見られる。ただ「入試難易度が同程度の私立大学」は2割(20.1%)とあまり参考にしていないようだ。このように、国公立大学と私立大学では、参考にする大学が全く異なるだけでなく、私立大学の場合には、学生募集戦略として、どのような競国・四国、九州・沖縄」は「近隣の私立大学」が相対的に多い(それぞれ、86.5%と78.3%)。これに対して「関東」と「中部・北陸」と「関西」では、「専門分野の近い私立大学」がそれぞれ78.2%、77.8%、74.0%と相対的に高い割合を占めている。また、「関東」と「関西」では「定員規模が同程度の私立大学」もそれぞれ50.8%と48.1%と比較的高い。これらは私立大学のおかれた地域的条件の相違によると考えられる。地方では、「近隣の私立■■近隣の私立大学 ■■専門分野の近い私立大学 ■■入試難易度が同程度の私立大学 ■■その他 0 0 ■■高すぎる ■■適正 ■■低すぎる ■■その他 全体 国立 公立 私立 ■■国公立大学 ■■定員規模が同程度の私立大学 全体 国立 公立 私立 8.5 (%) 6.5 28.0 (%) 27.6 1.9 49.0 3.4 96.6 3.8 90.6 5.7 1.9 7.4 62.6 リクルート カレッジマネジメント177 / Nov. - Dec. 201220 40 50 100 82.4 62.1 90.6 84.5 57.8 34.7 15.3 3.7 1.7 1.7 3.4 1.9 5.7 74.2 44.5 20.1 60 150 80 100(%) 200 250 (%) 3.6 5.5 8.6 1.7 5.7 1.9 4.3 4.6 3.6 図表1 現在の貴学の授業料水準 図表2 授業料設定の際、参考にする大学(複数回答) 争相手を想定しているのかによって、参考とする大学が異なっていると見られる。なお、私立大学では国公立大学を参考にする大学は少ないが、金沢工業大学は、国立大学との差額を奨学金にするなど、国立大学を意識した授業料・奨学金設定を行っているというケースも見られる。さらに、私立大学について、地域別(本部所在地別)に参考とする大学を見ると(図表3)、「北海道・東北」と「中経営戦略としての学 費
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