カレッジマネジメント187号
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28甲南大学は1919年の学園創立以来、創立者である平生釟三郎による建学の理念「人物教育の率先」を基本にして教育活動に努めてきた。8つの学部(文学部・理工学部・経済学部・法学部・経営学部・知能情報学部・マネジメント創造学部・フロンティアサイエンス学部)、4つの大学院研究科(人文科学研究科、自然科学研究科、社会科学研究科、フロンティアサイエンス研究科)、2つの専門職大学院(法科大学院、会計大学院)で構成される総合大学として歴史を重ね、卒業生は8万人を超える。経営学部は1960年4月に設立され、経営学部としては関西の私学では最初の、全国でも4番目に開設された、伝統ある学部である。その伝統を活かし、社会で活躍する卒業生とのつながりも強いが、時代の先端を行く革新的な手法により、社会とのつながりをより一層推し進めている。その一例が、ビジネス・リーダー養成プログラムである。中でも、ビジネス・プロフェッション・コースでの経営職能型長期インターンシップは、多方面より大きな関心を集めている。その導入の背景、具体的な取り組み、成果や課題などについて、経営学部将来構想委員会委員長の内藤文雄教授、河野昭三学部長、長坂悦敬教授、平野欽一郎総務部部長にお話をうかがった。ほか、経営職能型長期インターンシップを実際に経験した学生からの話も紹介していく。経営学の基本となる「経営学・会計学・商学」の3つのフィールドの理論をしっかり学び、企業経営に関するより深い理解を得られるようにカリキュラムを編成するなど、甲南大学経営学部では、経営学の専門教育にまずは重点をおいている。大学の学びは「講義」と「ゼミ」の2本柱だが、実学である経営学を教授しているにもかかわらず、企業の現場と大学の学びが必ずしも直結していないことに課題意識をもっていたという。この課題を解決するために、講義やゼミではできる限りケース研究を取り入れる工夫をするとともに、2006年度より、専門的知識を得たうえで企業の現場での経験を通じ、「経営の課題は何か、その課題に対してどう解決策を提案できるのか」を学生自らが創意工夫する新たな教育プログラムの検討を進めた。それが、ビジネス・リーダー養成プログラムである。大学での経営学教育をより実践に近い形で発展させ、「専門知識を得て、自発的な洞察力を有するビジネス・パーソンの育成」という教育目標を高次元で達成し、社会の期待に応えることを狙いとする。いわば、パッシブ・ラーニングからアクティブ・ラーニングへの転換の試みであり、2008年4月入学者から導入している。3カ月の経営職能型長期インターンシップリクルート カレッジマネジメント187 / Jul. - Aug. 2014甲南大学経営学部CASE3パッシブからアクティブ・ラーニングへの転換

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