カレッジマネジメント187号
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29場で経営管理の「仕事」を学生に直接体験させている。頭の中に専門知識をつめこんでいるだけで、実際にそれを使いこなせないと意味がない。長期にわたってインターンシップをすることで、企業経営全般の専門知識を「現場」で使いこなすセンスを磨くことを目指している。そのためにも、「甲南大学経営学部の看板を背負ってビジネス現場に出向くにふさわしい」学生の選抜を数回にわたって行っている(図表2参照)。1年次の10月および12月に説明会を行い、1月にBPコース選抜試験(1年次の成績(総論2科目以上+語学5科目)と応募書類・面接内容による選考)を実施している。合格者には2年次に特別授業を行い、成績および筆記・面接試験に基づき、インターンシップ候補生として1月にさらに選抜していく。インターンシップ候補生には、インターンシップ参加の意思確認をしたうえで、インターンシップに関わる特別演習や授業の受講資格を与え、3年次前期には、インターンシップ生決定のための試験・選考を行い、インターンシップ先を決定する。こうした長期にわたるきめ細かなプロセスを経て、3年次の9~11月に、意欲と専門知識を兼ね備えた15名の学生を「甲南大学経営学部の代表として」企業に派遣している。3カ月の長期インターンシップ経営職能型長期インターンシップの実施には、大学側の労力もさることながら、企業側の協力が欠かせない。企業には、本社の管理部門を中心とした3カ月フルタイムのイン本プログラムの導入には、学生募集上の期待もあったという。甲南大学経営学部では学生募集に関わるアプローチを積極的に行ってきたが、今後の少子化時代に向け「国立大学や関関同立に対抗する価値」についても、常設の学部内部委員会の一つである将来構想委員会で議論を重ねていた。そこで浮かび上がってきたのが、甲南大学経営学部ならではの「特別な」プログラムの導入であった。本プログラム内に3つのコース(ビジネス・プロフェッション・コース(BPコース)、グローバル・ビジネス・コース(GBコース)、アカウンティング・プロフェッション・コース(APコース))を設け、学生が描く将来像に基づき、2年次より履修できるようにした(図表1参照)。コース制として1年次より割り付けるのではなく、甲南の伝統をふまえ、「自ら手を挙げたやる気のある学生に対して、意味のある特別のコース」とした点にその特徴がある。通常の「演習」を履修することも可能とし、それぞれのゼミにおいて、自らの「専門」を十分に研究しながら、さらなる学習として、学生は本プログラムに参加している。とはいえ、手を挙げた学生全てを無条件に受け入れているわけではない。BPコースでは、経営職能型長期インターンシップを取り入れ、ビジネスの現リクルート カレッジマネジメント187 / Jul. - Aug. 2014内藤文雄経営学部教授・将来構想委員会委員長河野昭三経営学部長長坂悦敬経営学部教授平野欽一郎総務部部長特集 インターンシップの教育効果図表1 ビジネス・リーダー養成プログラム3コース共通ビジネス・プロフェッション・コース(BPコース)グローバル・ビジネス・コース(GBコース)アカウンティング・プロフェッション・コース(APコース)4年次通年演習Ⅲ(「演習Ⅱ」で卒業研究)(「演習Ⅱ」で卒業研究)(「演習Ⅱ」で卒業研究)AP財務会計実践講義発展AP応用2科目3年次後期演習Ⅱフルタイム・インターンシップBPインターンシップ特別演習Ⅱ海外留学GB国際アクティビティーⅠ〜ⅢAP財務会計実践講義応用AP管理会計実践講義応用AP経営コンサルティング論・同応用AP応用2科目前期BP経営コンサルティング論・同応用BPインターンシップ特別演習ⅠGBコース英会話Ⅰ〜ⅣGBビジネス英語Ⅰ・ⅡGBビジネス英会話 初級・上級GB外書講読Ⅰ・ⅡGBコース独・仏・中・韓国語会話Ⅰ・ⅡAP基礎2科目2年次後期演習ⅠBPコース特論 4科目(ストラテジー・オーガニゼーション・アカウンティング・マネジメント&ファイナンス)AP財務会計実践講義基礎AP基礎2科目前期中級簿記工業簿記1年次通年基礎演習「経営学総論・会計学総論・マーケティング総論」のうち2科目以上+外国語5科目の成績と選考試験(面接)により選抜「会計学総論」+外国語5科目の成績と選考試験(筆記+面接)により選抜意欲のある学生を選抜して育てる

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