カレッジマネジメント187号
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30ターンシップの受け入れとともに、18単位の授業単位(卒業必要単位の約15%)の評価・付与も依頼している。インターンシップ終了後の3年次1月には、学生による研究成果報告会を実施しており、経営学部OBや甲南大学学内他部局関係者等とともに、企業の担当者にも参加していただき、講評をお願いしている(図表2参照)。現在では、アシックス商事(株)・加藤産業(株)・神戸信用金庫・(株)神戸ポートピアホテル・(株)シマブンコーポレーション・トーホーグループ・阪急阪神ホールディングス(株)・三ツ星ベルト(株)の8社と経営管理インターンシップの協定を締結しているが、協力企業の開拓は容易ではなかったという。当初、経営学部長、本プログラム担当教員(将来構想委員会委員長)、経営企画室長の3名で、阪神間に本社のある有力上場企業等に足を運んだが、「我々は何をすればいいのか」といった反応が続いたという。それでも、BPコースの趣旨やそこでのインターンシップの意義等を伝え続けていくことで、初年度から7社の協力を得ることができた。なかなかよい返事を得られなくとも、「1・2週間だけでは「お客さん」で終わってしまう」といった懸念も強くあり、「3カ月」という体験期間は譲らなかったという。協力企業との関係を継続し、強化するための工夫は、企業側との信頼関係につきるという。企業には少なくとも年3回程度訪問し、実施に関するお願いと情報交換を行っている(図表2参照)。インターンシップ期間に入る前には、インターンシップ・プログラムについての共有化と実施上の問題点を検討するために、企業側との会合をもっている。ほか、経営学部アドバイザリーボードにも参加していただき、経営学部の教育の取り組み全般に対する意見も得ている。また、インターンシップ期間中に行う担当教員への報告・相談会(毎週土曜日に実施)での指導結果については、企業の担当者にメールで報告し、そこで出た課題については、インターンシップ期間の終了を待たずに改善を図っている。手探りの状態からスタートした取り組みであるが、現在では企業側からも、「より若い学生と接することで、自社の若手社員の教育となっている」「社内の常識やルーティンを疑う素人目線が入ることで、有意義な提案や業務改善につながっている」「経営に関する専門知識が入ることにより刺激を受ける」といった高い評価を得ている。学生に対するインターンシップの教育効果こうした取り組みは、当事者である学生に対していかなる影響を与えているのだろうか。第一に、就職活動への影響である。インターンシップ期間が就職活動の準備期間と重なっており、両者をうまく進めることに困難さを抱える学生もいる。しかし2014年4月下旬時点で、BPコースでインターンシップを経験した学生の2/3はすでに内々定を得ている。インターンシップを経験することにより、「社会に出て自分リクルート カレッジマネジメント187 / Jul. - Aug. 2014日程行  事1年生(7期生)2年生(6期生)3年生(5期生)4年生(4期生)4月新入生ガイダンス(コース概要説明等)履修ガイダンス特別演習2科目・特別授業1科目(前期)開始卒業研究開始特別授業2科目(前期)開始インターンシップ受け入れ企業への年間日程連絡7月インターンシップ派遣先決定(学生・教員の相談会)8月ビジネスマナー講習会インターンシップ連絡会議・企業担当者(来学)と学生との面談(上旬)9月特別授業2科目(後期)開始インターンシップ開始(月~金曜)・特別演習Ⅱ(土曜) 開始10月ビジネス・リーダー養成プログラム詳細説明11月インターンシップ終了12月BPコース募集説明(インターンシップ経験学生による経験談等)インターンシップ候補生選抜募集説明※筆記試験指定図書アナウンスレポート(5000字以上)作成・研究成果報告資料作成1月BPコース選抜試験出願インターンシップ候補生選抜試験出願インターンシップ研究成果報告会(企業担当者(来学)の講評)・懇談会卒業論文提出BPコース選抜試験(面接)インターンシップ候補生選抜試験(筆記+面接)2月BPコース選抜試験(追試験)インターンシップ先企業訪問(次年度受入人数の確認)3月BPコース選抜試験合格発表インターンシップ候補生試験合格発表BPコース選抜試験合格者説明会(コースの詳細・留意点等)インターンシップ概要説明・インターンシップ参加の意思確認ビジネス・リーダーシップ養成プログラム修了証書授与式図表2 2014年度ビジネス・プロフェッション・コース(BPコース)行事※スクリーン部分は、企業担当者との相談・意見交換

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