カレッジマネジメント187号
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48フォームに集約されていると、データがプラットフォーム・プロバイダにどのように使われるかが分からない。大学側が主導権を常に維持する上でも、複数プラットフォームにデータが分散していた方が安心である。オンライン教育の実践/議論/研究コミュニティを創るオンライン教育開発が華々しく行われていることは、ネット上の活動から分かる。しかし実は舞台裏では、オンライン教育やブレンド型学習に関わる議論や研究活動も、活発に展開されている。スタンフォード大学は、オンライン教育の実践者やこれに関心を有する教員、支援スタッフ、そして、オンライン教育やブレンド型学習について研究をする教員や学生、学外者が交流する仕掛けをいくつか用意している。教員のためのティーチング・コモンズや、オンライン教育開発に関わる教職員が投稿できるシグナル・ブログがある。「デジタル時代の教育」について学外者も含め、議論する場もある。これらはウェブ上の情報発信や情報交換だけでなく、多数のセミナーやレクチャー、フォーラム、ワークショップなどを伴っている。このため、スタンフォード大学のオンライン教育のカレンダーをみると毎週のように何かしらのイベントがある。多くのイベントは学外者に対してもオープンであるから、シリコンバレーのIT企業の人々も参加し、自然に共同研究なども生まれる(図表3)。オンライン教育に関する研究活動も組織的に行われている。これは「解析(analytics)」からリティクス・ラボ(Lytics Lab)とネーミングされており、オンライン教育から得られるビッグ・データを解析する研究に重きを置いてリクルート カレッジマネジメント187 / Jul. - Aug. 2014図表3 スタンフォード大学の学内外オンライン教育コミュニティのイメージ教員大学院生学外機関etc.TeachingCommons教育者の情報共有(teachingcommons.stanford.edu)SignalBlog気づき情報サイト(signalblog.stanford.edu)StanfordOnlineオンライン教育科目サイト(online.stanford.edu)EducationDigitalFuture教育の未来を考える(edf.stanford.edu)LyticsLab研究活動(lytics.stanford.edu)「イベント」「フォーラム」「セミナー」「ブログ」「Bigデータ解析」などで人々が活発に交流

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