カレッジマネジメント188号
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25リクルート カレッジマネジメント188 / Sep. - Oct. 2014特集 進学ブランド力調査2014関東東海/知名度×志願度プロット分析関西理系男子は名古屋工業大学・名古屋大学・名城大学が同率で1位(16.5%)。理系女子の1位は昨年に引き続き名古屋大学。岐阜大学・三重大学が順位を上げており、上位4位が国公立大学だ。岐阜薬科大学・愛知教育大学・鈴鹿医療科学大学・岐阜聖徳学園大学・聖隷クリストファー大学など医療系・教育系大学がランクインした。エリア外の大学や、エリア内でもこれまで上位に入らなかった大学が順位を上げ、昨年に比べ少し視野を広げた志望校選択をしている様子がわかる。志願度ランキング5年推移文理男女別の志願度を2010年から2014年の5年推移で追ったのが図表9である。文系全体では毎年不動の1位だった南山大学を、今年は中京大学が抜いた。また、2010年には4校あったエリア外の大学が、2014年は関西エリアの2校のみとなり、地元校比率が高まっている。文系男子では2012年から2年連続1位だった愛知大学を中京大学が上回った。開学60周年を迎え、相次ぐ学部・学科の新増設やキャンパス環境整備など、大きな動きを高校生向け広報につなげていることが結果につながっているようだ。一方で文系女子は南山大学が5年連続1位。ポイント数も2012年を除き他校より3ポイント以上高く、強いブランド力が維持されている。理系では名古屋大学が理系全体・理系女子ともに5連覇を果たした。毎年理系全体の上位20位中12~13校は国公立大であり、他エリアと比較しても非常に比率が高い。理系男子では3位が定位置だった名古屋工業大学が2013年から1位となっている。知名度×志願度プロット分析知名度を縦軸に、志願度を横軸にとり、大学の分布を表したものを2008年と2014年で比較したのが図表10である。東海エリアの平均知名度は2008年の25.8%から2014年には27.1%へ上昇し、全体的に大学の認知が進んだ様子。平均志願度も2008年の0.7%から2014年には0.9%と上昇している。2008年は知名度60%以上かつ志願度5%以上の「ブランド大学」に大学10校が存在し、うち5校が国公立大。2014年は8校に減少し、うち3校が国公立大となった。2008年は志願度10~15%付近に名城大学・中京大学・名古屋大学が存在していたが、2014年は該当校がなくなり、全体的に分布が小さくなっている。一部を除きブランド大学が知名度・志願度を下げているのに対し、いずれも平均は上がっているので、ブランド大学以外のポイントが上がっていると予想される。一方東海エリアの特徴として、知名度が高いが志願度が低いゾーンにエリア外の大学が多く分布する点がある。イメージ項目最後に、高校生が個別の大学にどんなイメージを抱いているかを示した。機能的価値32項目(図表11)、感性的価値15項目(図表12)の計47項目である。全47項目中約7割にあたる33項目でエリア外の大学が1位となった。特に東京大学は27項目(機能19項目・感性8項目)で1位となり、非常に強いイメージを持たれていることがわかる。東海エリアの大学が1位となったのは約3割にあたる14項目で、「周囲の人からの評判が良い」(1位名古屋大学)、「資格取得に有利」(1位愛知教育大学)、「交通の便が良い」(1位名古屋大学)、「キャンパスがきれい」(1位南山大学)、「入試方法が自分に合っている」(1位名城大学)、「偏差値が自分に合っている」(1位名城大学)など、具体的な進路希望として検討する項目では地元上位となった。個別の項目を見ると、本来最も伝えたいはずの「教育方針・カリキュラムが魅力的である」は、1位の東京大学以外は10%にも満たない。一方で「教育内容のレベルが高い」では国公立大を中心に30%以上のポイントもあるので、国公立大であっても「何をやっているかはわからないがレベルが高そう」といったイメージしか持たれていない様子だ。高校生や保護者が気にするキャリアに関する項目「就職に有利である」「社会で役立つ力が身につく」「卒業後に社会で活躍できる」では、いずれも1位東京大学・2位名古屋大学となった。「資格取得に有利である」の1位は前述の愛知教育大学だが、上位には日本福祉大学・藤田保健衛生大学・四日市看護医療大学など、資格系学部を持つ私立大もランクインしている。

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