カレッジマネジメント188号
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37リクルート カレッジマネジメント188 / Sep. - Oct. 2014特集 進学ブランド力調査2014関東東海関西/知名度×志願度プロット分析く神戸大学となり、関西学院大学・京都府立大学が順位を上げた。理系女子1位は大阪市立大学と近畿大学が同率トップ(12.1%)。兵庫県立大学が順位を上げたほか、立命館大学・龍谷大学・佛教大学が5位以上順位を上げてランクインした。関西エリアの特徴として、全体的に国公立大学の順位が上がっている点、学部・学科の新増設やキャンパス整備などを実施した大学の人気が上がっている点が挙げられる。志願度ランキング5年推移文理男女別の志願度を2010年から2014年の5年推移で追ったのが図表14である。関西エリアの志願度は例年地元の大学が大半を占める。男子は年によってエリア外の大学が入るが、女子は特に地元志向が強く、文理ともにエリア外の大学が上位20位以内に入ることがない。文系全体・文系男子・文系女子で関西大学が2010年から1位を守っており、文系男女ともに5〜6名に1名は関西大学を志望する状態だ。前述した追手門学院大学・四天王寺大学が2014年に初めてランクインした。文系男子の2位は5年連続近畿大学、文系女子の2位は5年連続関西学院大学と変わらない。3位以下も私立大が並び、文系は全体的に私立総合大学の順位が高い傾向にある。理系は全体・男子で2012年まで1位だった神戸大学が、今年近畿大学を抜いて1位に返り咲いた。また、理系全体で大阪市立大学がじわじわと順位を上げ、今年は2位に入った。例年上位5位は近畿大学を除く4校が国公立大で、文系とは逆に国公立志向が強い傾向となる。特に理系女子は公立志向が強く、毎年上位20位中5~6校は公立大学という、他エリアにはない特徴が見られる。知名度×志願度プロット分析知名度を縦軸に、志願度を横軸にとり、大学の分布を表したものを2008年と2014年で比較したのが図表15である。関西エリアの平均知名度は2008年の25.0%から2014年には23.6%に1.4ポイント減少し、知名度90%を超える大学がなくなった。一方で平均志願度は0.7%と変化がない。2008年は知名度60%以上かつ志願度5%以上の「ブランド大学」に、いわゆる関関同立・産近甲龍と呼ばれる私立総合大学に国公立4校が加わった12校が存在。2014年は私大が2校減少し、10校となった。2008年は志願度において他を圧倒するポジションだった関西大学に対し、ここ7年間で近畿大学が大きく間を詰め、2014年はこの2大学が他を引き離すかたちとなった。この関係性は2008年関東エリアの早稲田大学と明治大学の関係性に類似している(P.12)。結果、「ブランド大学」の中でも集団が分かれ、知名度・志願度にはかなり幅がある状態だ。最後に、高校生が個別の大学にどんなイメージを抱いているかを示した。機能的価値32項目(図表16)、感性的価値15項目(図表17)の計47項目である。関西エリアでは全47項目中9割を超える43項目でエリア内の大学が1位となっており、エリア外の大学の占める割合が極めて低い。一方27項目で1位となったのは京都大学(機能21項目・感性6項目)。その他の16項目ではそれぞれ1位の大学が9大学に分散しており、他エリアに比べ地元の大学が個別に比較的強くイメージされているようだ。全47項目中男女の1位が一致したのは8項目しかなく、男女でもイメージが分かれている様子だ。個別の項目を見ると、「教育方針・カリキュラムが魅力的である」は他エリア同様、1位の京都大学でも14.9%と、上位であってもポイントが20%に満たず、最も伝えたいはずの教育内容が伝わっていない様子が見える。高校生や保護者が気になるキャリアについての項目「就職に有利」「社会で役立つ力が身につく」「卒業後に社会で活躍できる」「資格取得に有利」はいずれも京都大学が1位。2位以下の上位には国公立大が目立つ。社会のグローバル化が叫ばれるなか、「国際的なセンスが身につく」では1位関西外国語大学・2位京都外国語大学。女子では上位4位までが全て外国語大学だ。どのエリアでも、高校生にとっては国際的=外国語というイメージになっているようだ。イメージ項目(本誌 鹿島 梓)

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