カレッジマネジメント188号
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50高校生の目に自分達がどう映っているのか気にならない大学関係者はいない。大学進学を目指す高校生達は、志望校を絞っていく過程でいくつかの大学について何かしらのイメージを作り上げていく。大学としてそこにどう働きかけるのか。各大学の打ち出す「イメージ戦略」で勝負することになるが、しかしそれは単なる広報活動の強化を意味しない。事実、高校生の志願度が上がっている大学を訪ねてみると、具体的な改革の動きがその大学のイメージを向上させていることが分かる。今回、「進学ブランド調査2014」で東海エリアの志願度1位に輝いた名城大学は、まさにそうした好例だ。東海地方最大規模の私立大学として存在感を保持していて、2年後の2016年には開学90周年を迎える。そんな特長を活かしつつも、さらなる高みを目指す改革が進行中だ。天白キャンパスを訪ね、中根敏晴学長と入学センターの本山慶樹課長にお話をうかがった。動き始めた名城大学名城大学は、1926(大正15)年創立の名古屋高等理工科講習所を嚆矢とし、近く開学90周年の節目を迎えることになる。名城大学は今、この開学90周年事業を契機に大きく動き始めている。それを最も象徴するのが新キャンパスの建設と新学部の設置だ。開学90周年となる2016年、名城大学は名古屋市東区にナゴヤドーム前キャンパス(略称:ドーム前キャンパス)をオープンさせる。名称通りナゴヤドームの目と鼻の先に位置し、交通アクセスの至便さが売りだ。都市部に勤務する社会人学生向けにも生涯学習の機会を提供するのに絶好のロケーションだ。その新キャンパス開設に合わせて同じ年、大学の国際化を先導するフラッグシップ事業として「外国語学部」を新設することにしている。外国語学部が加わり、名城大学は9学部体制へと拡大する。さらに、翌2017年4月には、都市情報学部(可児キャンパス)と人間学部(天白キャンパス)が新キャンパスに移転する。ドーム前キャンパスの完成と学部移転で、天白キャンパスの狭隘化が緩和される予定だ。ドーム前キャンパスは将来、全学16,000人のうち約3,000人の学生が学ぶ場になる。その他、開学90周年事業では新たに共通講義棟東を建設するなど既存キャンパスのリニューアル計画も進行しつつある(図表1)。確かに、開学90周年を機に名城大学はにわかに、そし開学90周年に向け“動く名城大学”を伝えるリクルート カレッジマネジメント188 / Sep. - Oct. 2014中根敏晴 学長2016年4月に誕生するナゴヤドーム前キャンパス名城大学CASE2
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