カレッジマネジメント188号
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51て大胆に動き始めているといえる。その背景には、何よりも危機感が存在すると中根学長は強調する。名城大学は歴史的に地味な印象があり、広報も必ずしもうまくなかった。しかし、「間近に開学90周年という節目が迫り、その先には開学100周年という目標も控えている。こうした歴史的機会に名城大学が『動く』という印象を与えることが重要だった」と学長は語る。時代の変化を読んで「動く」大学であることを示さなければ、いくら大規模私学といっても安泰ではない。そんな危機感が後押しした。特に、キャンパス取得は経営サイドの意思決定によって日の目を見た。この意思決定がなければ、名城大学は従来とあまり変わらない行動に終始していたのではないか。経営サイドの決断が大学を大きく動かすこととなったと中根学長は高く評価している。若手職員の思いを込めた統一メッセージ開学90周年事業には広報戦略も重要な役割を担っている。開学90周年に合わせ、新たなコミュニケーションメッセージとシンボルマークが作成された(図表2)。2014年4月には、名古屋の主要駅に「RISING つながりを、チカラに。」のメッセージを伝える各種ポスターが並んだ。同時に、ブランドサイトも開設した(http://www.meijo-u.ac.jp/sp/rising/)。「RISING」という言葉には、高みを目指して一人ひとりが起ち上がり、未来へと挑戦する「独創的で強い大学」像への思いが込められている。このメッセージとマークは、14人の職員からなる開学90周年事業のためのプロジェクトチーム「つなぐプロジェクト」の手によるものだ。チームは2013年9月、プロジェクト推進室の下に結成された。大学から予算が投じられ、学内公募によるメンバー募集も行われた。入職3年目から30代までの若手職員が手を挙げ、その半分ほどは中途採用の企業経験者だったという。本山課長もメンバーの一人として加わった。「やる気のある前向きな職員達の存在を知り、一緒にプロジェクトを推進できたことはうれしく楽しかった」と本山課長は振り返る。「つなぐプロジェクト」のメンバーらは、まず時間をかけて議論することを心がけた。メンバー全員によるインサイト分析を行いながら、必ずしも統一されていなかった課題意識を共有していった。自分達は社会にどう見られたいのか、どんな大学になっていきたいのか。そんな観点から名城大学像を明確化する作業を丁寧に進めていった。一過性のプロジェクトでなく、大学の風土そのものを変えるきっかけとすることを目指したとリクルート カレッジマネジメント188 / Sep. - Oct. 2014特集 進学ブランド力調査20142014年度2015年度2016年度(開学90周年)2017年度学部等周年薬学部60周年都市情報学部20周年理工学部90周年附属高校90周年新学部外国語学部国際英語学科開設(ドーム前C)移転都市情報学部・同研究科(可児Cからドーム前C)人間学部・同研究科(天白Cからドーム前C)ナゴヤドーム前キャンパス2014年着工2016年2月第1期竣工予定2017年2月第2期竣工予定共通講義棟東(天白キャンパス)2015年3月竣工予定新校友会館(天白キャンパス)2016年2月竣工予定新3号館(八事キャンパス)2015年3月竣工予定キャンパスリニューアル 図表1 開学90周年事業図表2 開学90周年に向けたメッセージとシンボルマーク

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