カレッジマネジメント188号
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54北海道科学大学(旧・北海道工業大学)は、1967年創設の学生数2975名の大学である。設置者は、1924年開設の自動車運転技能教授所をルーツとする、学校法人北海道科学大学(旧・学校法人北海道尚志学園)である。系列校には北海道科学大学短期大学部(旧・北海道自動車短期大学)、北海道薬科大学、北海道尚志学園高等学校、北海道自動車学校がある。同法人では、2024年に法人創立100周年を迎えるにあたり、「北海道No.1の実学系総合大学」を目標に掲げ、法人をあげた改革を進めている。その取り組みの端緒として、2014年4月に北海道工業大学に医療系3学科を新設するとともに、大学名と法人名を改称、さらに2015年には北海道科学大学、北海道科学大学短期大学部、北海道薬科大学のキャンパス統合が予定されている。法人創立100周年を見据えた北海道科学大学のブランド戦略、具体的な取り組み内容、今後の方向性について、西安信理事長、北海道科学大学の苫米地司学長に話をうかがった。100周年ブランドビジョンと取り組みの内容学校法人北海道科学大学では、法人創立90周年を迎える2014年、法人が果たすべき役割の明確化と、10年後に向けた歩みを確かなものとするために、「基盤能力と専門性を併せ持つ人材を育成し、地域と共に発展・成長する北海道No.1の実学系総合大学を実現します」との100周年ブランドビジョンを設定した。また、ビジョンの設定と同時に「私たちの信条(Our Spirits)」として「地域共育力」と「+Professional」を掲げている。単なる「Professional」だけではなく、後付けの「Professional+」でもない、基盤能力を前提とした専門性を身につけた人材像を示す「+Professional」は、法人内の全設置校共通のスローガンでもある。また、「地域共育力」を示す新しいシンボルマーク(Progress“H”)を法人内で共有し、ブランドの統一を図っている(図1)。100周年へ向けた取り組みの第一歩は、北海道工業大学における学科新設と学部改組であった。2013年度以前の北海道工業大学は4学部9学科体制(入学定員800名)で、創生工学部・空間創造学部・医療工学部・未来デザイン学部から構成されていた。これに対し、2014年度より看護学科、理学療法学科、診療放射線学科の3学科を新設、また工学系2学部を1学部に統合することで、工学部・保健医療学部・未来デザイン学部から成る3学部12学科体制(入学定員100周年を見据えた法人横断型のブランド戦略リクルート カレッジマネジメント188 / Sep. - Oct. 2014図1 法人内でのシンボルマークとスローガンの統一北海道科学大学CASE3
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