カレッジマネジメント188号
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55812名)へと移行した。これに伴い、実学系総合大学としての学問の広がりを適切に表すべく大学名を北海道科学大学に変更、併せて学校法人北海道尚志学園も学校法人北海道科学大学へと改称した。また2014年度には、北海道自動車短期大学を北海道科学大学短期大学部と改称するとともに、北海道科学大学への編入学の強化をはじめとする新カリキュラムを導入した。新カリキュラムでは、まず北海道科学大学と短期大学部の基本教育科目の共通化が行われた。また目標を明確にして学べるコースとして、自動車整備コース、技術開発コース、損害保険コース、マネジメントコースを新設した。整備業界に加え、製造業界、損害保険業界、運輸業、公務員、自動車関連販売業界、及び北海道科学大学への編入学といった幅広い進路への対応を図る改革である。さらに2015年度には、法人内部の連携強化を目指し、小樽市桂岡町にある北海道薬科大学、及び札幌市豊平区中の島にある短期大学部のキャンパスを、北海道科学大学のある札幌市手稲区前田に移転することが予定されている。今後も、法人創立100周年に向けて、北海道科学大学と北海道薬科大学の統合、北海道尚志学園高等学校の北海道科学大学への附属化が計画されている。法人が設置する高校・短期大学部・大学・大学院のネットワークを緊密に結ぶことで、高校や短期大学部から系列大学への進学を促進し、工学・医療・薬学・社会科学系の一貫教育の体制を強化することが、キャンパスの集約の狙いである(図2)。90周年の改革に至る経緯と背景法人創立100周年に向け、確実な歩みを進める北海道科学大学の取り組みに対し、他大学からの視察も増えているという。しかし、一連の取り組みに至るまでの経緯は決して短いものではない。「はじめは50ccの原付バイクくらいでゆっくりと進めてきた改革が、最後には3000ccのスポーツカークラスのスピードで進んでいくように感じた」と苫米地学長は話す。北海道科学大学における改革の始まりは、西理事長の学長時代に遡る。西理事長は1976年に北海道工業大学の助教授に就任した後、教授昇格、入試部長、主任教授等を経て2006年に同大学の学長、2009年に法人の理事長に就任した。30年近くの間、同大学の教壇に立った経験のある初めての学長、理事長となった。また「教員も事務職員も家族ぐるみの付き合いができるような職場を作りたかった」と西理事長が話すように、教員、事務職員を隔てずに自ら積極的に声をかけて、関係性を築こうとするリーダーシップを発揮してきた。「そこが歴代の学長、理事長との一番の違いだった」と苫米地学長は話す。西理事長が学長時代に行った取り組みに、北海道工業大学を1学部体制から4学部体制へと再編した改革がある(図3)。これは学長の声掛けの下に設置された将来計画検討委員会(学長の諮問機関の位置づけ)の立案に基づいて進められたものであった。将来計画検討委員会では40代を中心とした11名を構成員として、委員長を当時の苫米地学長が務めた。委員会からの提案は、学部名称の変更、医療系や文系の創設等を内容としていた。改革の背景リクルート カレッジマネジメント188 / Sep. - Oct. 2014特集 進学ブランド力調査2014西 安信 理事長苫米地 司 学長図2 2024年、法人創立100周年へのロードマップ法人創立90周年  法人創立90周年の節目に、100周年へ向けた活動を本格的に始動北海道工業大学の改組  学科の新設に伴い、学部名等を変更北海道工業大学と北海道自動車短期大学の大学名を変更  実学系総合大学としての学問の広がりを適切に表すために、  大学名を北海道科学大学及び北海道科学大学短期大学部に変更学校法人北海道尚志学園の法人名を変更  北海道工業大学、北海道自動車短期大学の改称を機に、法人イメージを  より明確にするため、法人名称を学校法人北海道科学大学に変更北海道薬科大学キャンパス移転(予定)  北海道薬科大学を桂岡キャンパスから前田キャンパスへ移転北海道科学大学短期大学部キャンパス移転(予定)  北海道科学大学短期大学部を中の島キャンパスから  前田キャンパスへ移転大学の統合(構想中)  北海道科学大学と北海道薬科大学を統合し、   実学系総合大学の教育体制を確立北海道尚志学園高等学校の附属化(構想中)  北海道尚志学園高等学校を  北海道科学大学に附属化201420152024法人創立100周年

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