カレッジマネジメント188号
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建物はツインタワーで、西・中央・東棟それぞれ4階以上はほとんどが教室と研究室。可動式什器が多く、配置を変えることで様々な教育方式の可能性を模索できる。西棟2階には「ラーニングコモンズ"SPACe"」があり、コミュニケーションエリアや自習スペースも多くとられているほか、ワールドランゲージセンター(WLC)という英語教育ゾーンでは日本語が禁止され、専門スタッフや留学生によるチットチャットクラブ、イベントなどが随時開催されている。東棟には留学生フロアや、女性専用「フラワーラウンジ」も備える。中央棟には4階にカフェラウンジ「GranCafe」と、地下1階に学生ラウンジ「プラット」があり、学生が憩う場が多く設けられている。教育面では、2012年に採択されたグローバル人材育成推進事業で掲げた人材育成プログラムとして、専門科目を英語で学ぶ経済学部のインターナショナルプログラムを先駆けとして、他学部でも展開している。経済学部ではTOEIC®で730点以上を獲得した学生が全体の3割と、教育成果が上がっているためだ。今年4月には国際教養学部も開設した。一方受け入れについては、「大学院含めて8000名の在籍のうち、現在3.5%(45カ国から約300名)の留学生比率を5%以上に上げていきたい」と意気込む。グローバル化の新たな拠点である中央教育棟で、これから展開されていく教育が楽しみだ。(本誌 鹿島 梓)2013年9月に創価大学「中央教育棟 GLOBAL SQUARE」がオープンした。アクティブラーニング・PBLなど教育方式の多様化に対応するため、また学生同士のコミュニケーションを促進するための施設設備の拡充が主な目的である。「学生の学びを中心コンセプトに据えたかった」と語る馬場善久学長からは、「教・職・学」という言葉が多く聞かれた。学とは学生のことである。学生の意見を設計段階から取り入れるため、他校見学なども学生が同席し、自分達がどう学びたいのかを積極的に意見したという。学生第一という理念にのっとり、開学3年目から学生を入れた全学協議会が立ち上がっており、事あるごとに学生の要望を聞き、大学側からは事前情報を早めに伝えるなど、相互コミュニケーションを40年重ねてきた歴史がある。学生にとっては民主主義や社会での合意形成のプロセスを学ぶ場にもなっている。「ただ建物を建てるのではなく、なぜ造るのかというプロセスが伝わることで、学生の使い方が変わります」と馬場学長。同様に卒業生の意見も幅広く取り入れている。中央教育棟は、そういった様々なオピニオンの集大成というわけだ。講演などで使用される地下1階「ディスカバリーホール」。84リクルート カレッジマネジメント188 / Sep. - Oct. 2014地下1階のコンビニエンスストアの横に広がる学生ラウンジ「プラット」。コンセントや椅子の数も多く自習する学生たちでにぎわう。

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