カレッジマネジメント189号
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11リクルート カレッジマネジメント189 / Nov. - Dec. 2014している」(13.3%)、「まあ貢献している」(45.6%)と、肯定的な評価は6割弱に達している。データのアクセスと分析IR活動に欠かせない各種の教育活動・財務などのデータに関しては、全学のデータを統合的に収集・蓄積している大学の割合は比較的に高く、財務(93.1%)、学務(成績、学籍など)(85.6%)、教員(73.1%)となっている。執行部や担当部署よりデータのアクセスやリトリーブに制約があり、IR活動にとっては大きな制約条件となっていると見られる。しかし、図5のように、データへのアクセス・リトリーブ権限は主に担当部局が持ち、執行部やIR担当者の権限はまだ不十分で、またIR担当者は図 4 全学意思決定プロセスへの関与と貢献まったく関与(貢献)していない あまり関与(貢献)していない まあ関与(貢献)している よく関与(貢献)している 意思決定への貢献 意思決定への関与 21.6 13.3 45.6 33.5 7.6 42.6 28.4 7.4 (%) 図 5 データのアクセスの権限とリトリーブ(複数回答)学務(学籍・成績など)データ 授業評価データ 教員データ 財務データ 学務(学籍・成績など)データ 授業評価データ 教員データ 財務データ データへの アクセスの権限 データの リトリーブ 66.2 72.7 54.5 51.0 80.5 83.9 82.2 85.1 77.1 81.6 66.5 71.8 77.8 63.6 69.4 81.6 43.8 62.4 82.2 51.8 70.9 99.3 28.4 70.9 92.4 47.4 54.5 93.9 38.9 30.0 91.3 25.3 (%) 学内構成員全員 担当部署 IR担当者 執行部 IR特集 戦略的意思決定を支える本事業は、近年、日本の大学でも注目されているインスティテューショナル・リサーチ(institutional research, 以下、IRと略記)について、とくに大学の質保証との関連、学生調査、大学情報、大学ベンチマーク、戦略的計画を中心に国際比較と統計分析を行い、その特性を明らかにすることによって、日本の大学のIRの発展に資する基本的な知見を得ることを目的としている。日本の大学においてもIR活動の実践への取り組みも散見されるようになった。しかし、その実態は必ずしも明らかではない。また、IR研究について、まだ日本ではアメリカの実践が紹介されている段階であり、大学関係者や研究者の間でもIRについて一定の共通の理解があるわけではない。これは、IRの盛んなアメリカでも同様で、様々な定義があり、実践活動も多様である。その理由はIRが現在でもなお発展を続けていることによる。本調査研究では、こうした日本とアメリカのIRの現状に鑑み、IRの変遷を明らかにし、日本の大学におけるIR活動を促進し、大学の質の向上に寄与するため、必要な調査研究を行うことを何より念頭に置いて、多彩なIRの中でもとりわけ重要性を持つ大学の質保証との関連、学生調査、大学情報とそれに関連する大学ベンチマーク及び戦略的計画に焦点を当てて、国際比較によって日本のIRのあり方を検討した。本調査研究によって、アメリカの大学や日本の大学におけるIRの現状と問題点を明らかにし、さらに先進的な実践例を紹介することにより、日本の大学のIR活動の橋頭堡となることが期待されよう。委託事業全体の概要 (報告書から抜粋)
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