カレッジマネジメント189号
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31リクルート カレッジマネジメント189 / Nov. - Dec. 2014仕事の力を身につけることができる高等教育機関となれるかが本当に大事だと思います。個別の入学者選抜を主体性・多様性・協働性の評価に小林 少し前は均質的な答えを早くだす能力が求められてきましたが、これからは自分の意見を持ち、主体的に行動し、糧を得る力が必要になるということですね。それを実現するために入試をどう変えるべきですか。安西 まずは「個別大学の入学者選抜」の目標について述べたいと思います。もう入試という言葉はなくなってもいいかなとも思っていますが、大学入学者選抜のあり方を抜本的に変えていく必要があると考えています。個別大学の入学者選抜では、前述の主体性・多様性・協働性をどう経験してきたかということを見てほしいのです。さらに、そのポテンシャル(潜在力)を、当該大学における学びの場でどう生かしていけるか、そしてその先にどういう卒業生になるであろうかを見てもらいたい。 個別大学の入学者選抜においては、面接、集団討論、論文等や、高校の調査書、受検者自身の活動報告書等から、主体性・多様性・協働性を多面的に評価することになります。調査書の様式も変えていくべきでしょう。個別の大学においては、面接・集団討論等の評価方法や調査書等の評価方法などの入学者選抜方法の開発や、入学者選抜に関わる人材の育成も含めて、20年後30年後を見据えてぜひご尽力頂きたいと思います。国もそれをバックアップし、予算的措置もきちんと確保していかなければいけません。 またその選抜に対して、大学教育がきちんとフォローできていなければいけません。推薦・AO入試がおかしいのではないかと言われてきました。経営が難しい大学が青田買いで囲い込みを行うため、選抜機能を果たしていないという論点です。しかしもう一方で、大学に入ってからの教育カリキュラムが推薦・AO入試に対応していないということがあるのではないかと思います。つまり推薦・AO入試で入るということは、「これまでこういうことをやってきて、今後はこんなことがやりたい」。それを大学が「いいね、自分達の方針とあっているね」と学生を受け入れるのが本来のあるべき形です。では、そういう学生が入学してきた後で、これまでの継続とポテンシャルを伸ばしながら、他の学力も身についていくようなカリキュラムが多様に用意されているかというと、そんなことはあまりないのです。そこのギャップが大きいと思います。結局は、入学者選抜に一種のアメリカ風の入試をAO入試という形で接ぎ木したけれど、大学の中身は今まで通りだったために、AO入試がうまくいかなかったという面もあると思うのです。こうしたことから、大学入学者選抜と一体的に、主体性を重んじる学びの場を大学教育において作っていかないとだめだと思います。 それと共に、当然学力が必要になります。学校教育法を基礎にした、学力の3要素があり、法律的にも学力の中に学習する態度まで入っていますが、その学力の中の「基礎的な教科の知識・技能」は達成度テスト(基礎レベル)※で評価しようというのが趣旨です。そして大学入学者選抜においては「知識・技能の活用力」の評価を重視していくべきなので、これを達成度テスト(発展レベル)※で評価します。では活用力とは何かというと、単に知識の暗記ではなくて、それを色々な状況や文脈、様々な場で臨機応変に使うことができるかどうかということです。INTERVIEW
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