カレッジマネジメント189号
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32リクルート カレッジマネジメント189 / Nov. - Dec. 2014小林 共通テストの話が出ましたので、まずは基礎レベルと高校教育の関係についてお聞かせください。安西 全国区の受験校から、なかなかそうはいかない学校まで、高等学校がかなり多様化しています。基礎レベルのテストは、高校生が自分の高校で身につけた力がどのくらいあるのかを自分で測るテストなので、ある程度広範囲な難易度のテストに設計すべきと考えています。それに発展レベルのテストを接続すれば、基礎レベルと発展レベルでかなりの幅の知識・技能とその活用力の評価を支えることのできる、ハイレベルな評価テストにすることができます。この2つの関係性を図表1の矢印で示しているつもりです。 もちろん、知識・技能は基礎レベルで担保するので、主体性・多様性・協働性を個別大学がしっかり評価してくれるということが大前提になります。個別の大学もいわゆる基礎知識やその活用力に深く踏み込んでしまうと、全部が同じものになってしまうので、今までと全く同じになってしまうのです。小林 多様化した高校の中で、コアの知識・技能とその活用力をきちんと測っていくということですね。安西 知識・技能やその活用力の部分を測るときに、専門高校・職業高校などで進んできた生徒達にどう対応するかという未解決の議論があります。多様性を重んじるとすれば、いわゆる基幹科目を何教科と設けてしまうと、一様になってしまうのではないかと思います。専門高校・職業高校の生徒は、主要何科目以外のことを毎日一生懸命勉強しているわけです。工業数学を学んでいるのに、その問題がテストに出ないとなったときにどうなのかという課題があります。だから、できるだけ広範囲にしたいのです。音楽大学や体育大学、あるいは専門学校、社会に出たいなど、あらゆる志向の高校生が受けたいと思う基礎レベルのテストが望ましい。日本の世の中というのは往々にして、これまでの伝統から主要何教科と決まると、その点数で生徒を順位づけしてしまう。そ新たな共通テストの具体的な方向性新たな共通テストの具体的な方向性れを止めてもらいたいわけです。本当に大きな高校教育改革の目標というのは、達成度テストだけではありません。受験勉強ではない目標を高校教育で設定することなのです。小林 もともと高大接続は、高校側できちんと質の保証を進める手段として達成度テストを導入し、基礎レベルで教育改善をしていきましょうというのが目的ですよね。安西 今までの学力観の経緯は、「ゆとり教育」と「詰め込み教育」を行ったり来たりで戦後ずっと来ている。けれども、そのゆとりか詰め込みかという二項対立の時代ではないということです。基礎と発展で知識・技能とその活用力を担保しながら、個別大学が行う主体性・多様性・協働性の評価を組み合わせることによって、知識・技能と主体性・多様性・協働性の両方を前面に出した教育を行うべきです。小林 発展レベルでは何を評価するのでしょうか。安西 発展レベルのテストについては、国レベルで知識・技能の活用力を評価する技術や方法を至急検討しなければいけません。これについては、単なる教科のテストではなく、例えば教科を組み合わせた合教科・科目型の「問題領域」テストを中心に、総合的な学習の時間の学習指導要領に準拠した問題や、記述式の問題など、もう少し広い作問の仕方等がありうると思います。そうすると、CBT(Computer Based
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