カレッジマネジメント189号
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就業力を育成する48リクルート カレッジマネジメント189 / Nov. - Dec. 2014に行った。そうしたら去年、信号機がついたのです。すごい成果でしょう。こういう行動力が出てきたことは、非常にいいと思うのです」キャリア教育全体の成果としても、例えば7、8年前には海外インターンシップ生はゼロだったのが、昨年は20数名が行くなど、能動性が出てきたという。専任教員にどう関わってもらうかキャリア教育を進めるうえでの課題は、「専任教員に関わってもらう環境形成の難しさ」だ。10年かけて、徐々に関与度は上がってきたものの、「導入、途中の教育、最終的な評価まで、すべての階層で専任教員が関与するというシステムまではまだ行っていない」と福田学長は言う。「この問題点への解決策のひとつがTTAであったと思います。産業界のOB、本学の卒業生もそうじゃない人も、自分が今までやってきた事柄をベースにしてぜひ若者の教育に関与したいという意欲を持っている人がいる。そういう人たちの力を得ながらきめ細かくやっていくシステムを作ってきた。しかし今後もこのままで行っていいのか。本来的には専任教員がそれぞれの専門教育の中で、学生に産業界とのかかわりを考えさせ、自分自身のキャリアを形成しデザインしていく能力を身につけさせなければいけない。それをどう実施していくかが次の課題だと思います」多様な大学が集まる産業界ニーズ事業電通大は文科省「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」関東・山梨ブロックの幹事校である。14大学からなるこのブロックは、東京・神奈川・栃木・山梨というやや不自然な区割りに加え、工学系単科の電通大もあれば、看護大学も音楽大学もある。「最初、こんなに人材育成目標が異なる大学同士のグループで、キャリア教育という柱を、どこにどのように建てたらいいのか、非常に悩みました」悩んだ末に、「それぞれの分野に則してスタートとターゲットは違っても、目標に到達するまでの手法、教育方法にはひょっとすると共通するものがあるのではないか」という観点を14大学の共通認識とした。「例えば本学のTTAが、グループでカウンセリング、コンサルティング、さらに、教員がするようないわゆる指導も含めたことをやっている。あるいは音楽大学で、音楽家、地域の音楽振興に関わる人材などの育成にあたり、どのように地域との関わりを作って、どういうインターンシップのシステムを作り上げているか。そういった議論をしてきて、『共有できる教育手法』を課題、または成果の一つに置こうということで動かしています」2014年度には、産業界ニーズ事業に付随する「テーマB」(インターンシップ強化)でも採択された。「テーマBに関しては、この大学の近く、いくつもの大学があって学生も多いし、中小企業も非常に多いこの多摩地域で、大学として密接に連携する場を作り上げることも意図したうえで、学生のインターンシップをシステム的に作り上げようとしています」グローバル化とイノベーション今後の方向性は、「ありきたりの言葉で言ってしまえば、グローバル化とイノベーション」だという。イノベーティブ人材育成を強く意識したのが、電通大を主幹校に全国7大学が連携した『スーパー連携大学院』というプログラムだ。ヨーロッパで、産学官連携のイノベーティブPh.Dという名称の学位が出てきているのを参考にしているという。「これは非常に有望なもので、これからもっともっと実質化していきたいと思っています。学部レベルへの適用は難しいものですが、学部から大学院まで一貫の形の中でそういう人材を育成する体制を作り上げたいと思います」。学部卒業生の6割程が大学院に進学する電通大では、キャリア教育も学部だけでは完結せず、おのずと大学院を含めたものとなるわけだ。グローバル化に関しては、「グローバル・アライアンス・ラボ」という外国の大学と相互に研究室を設置するプロジェクトを文科省に申請した。「例えば中国の上海交通大学やタイのキングモンクット工科大学ラカバン校、ロシアのモクスワ理工大学、それからフランス、ドイツなどの大学と、お互いに自分の大学の研究室を相手の大学に置いて、教員も学生も数カ月単位で行き来する形を考えています。学生は両方の教育を受けることになり、次のステップである、ジョイントディグリーにもつながっていくと考えています」(角方正幸 リアセックキャリア総合研究所 所長)

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