カレッジマネジメント190号
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18リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015次に、新増設・改組(認可・届出)の志願倍率について見てみよう。2004年以降の新増設・改組の志願倍率は、平均6倍前後の高倍率で推移してきたが、2012年以降認可を伴う新増設件数の増加とともに志願倍率も上昇しており、募集が確実に確保できる分野への改編が推進された結果と考えられる。2018年以降の18歳人口の減少を踏まえ、募集戦略としての新増設・改組の検討は今後も盛んかつ慎重に行われるであろう。最後に、大学の基本情報の比較公開を行う大学ポートレートでの定員充足率の公開、文部科学省及び第三者評価における定員充足率についての留意事項の厳格化など、定員充足ができない学部に対する圧力がこれまで以上に強くなっている。各大学では、マーケット・トレンドをより考慮し、確実に募集ができ定員が充足し、かつ卒業後の人材ニーズの高い学部・学科の設置構想を検討せざるを得ないと言える。以上のことから、152号で触れたマーケット・イン(マーケット・トレンドに合わせた)の改組が一層進むと予測される。2008年から2014年の新増設・改組のトレンド2008年から2014年の6年間で、新増設・改組はどのように行われてきたのであろうか。この6年間のトレンドを知るうえで、単独分野の新増設・改組を、設置数の多い順に並べたものが図表6である。さらに、その分野ごとの新増設時の平均倍率及び2008年から2013年の平均設置数を図表右端に示した。最も多く設置されたのは、看護学で71件(平均倍率5.1倍)、次いで医療技術学59件(5.1倍)、リハビリテーション学40件(3.8倍)、経営学38件(3.6倍)、心理学34件(6.3倍)、保育・児童学32件(3.4倍)、教育学21件(8.9倍)、福祉学20件(2.7倍)、栄養・食物学19件(2.7倍)、語学(外国語)19件(9.8倍)と続く。2012年以降の社会情勢の影響を受け、新たに新増設の設置を実現するためには、2013年の3月から5月の申請順位学科系統(小)名称2008設置数2009設置数2010設置数2011設置数2012設置数2013設置数2014設置数設置数合計平均倍率2008-2013平均設置数1看護学9111188816715.19.22医療技術学861387116595.18.83リハビリテーション学9649471403.86.54経営学9716447383.65.25心理学6852526346.34.76保育・児童学7784213323.44.87教育学4522224218.92.88福祉学8132321202.73.29栄養・食物学5‐533‐3192.74.0語学(外国語)5222224199.82.511教養学6121111137.72.012デザイン3322‐11123.92.2経済学4311‐21125.42.2社会学3131121123.41.815美術1‐413‐2111.62.316生命科学512‐2‐‐104.42.517建築学23‐3‐‐194.02.718音楽223‐1‐‐80.82.0総合政策学1‐132‐183.01.8人間科学313‐‐‐183.62.3機械工学312‐‐1184.51.8情報工学41‐‐12‐83.72.023歴史学‐‐31‐‐374.62.0文化人類学1221‐‐173.81.5外国文学23‐1‐‐174.72.0商学1221‐1‐74.51.4観光学3‐21‐1‐73.21.8国際関係学111‐11273.21.0図表6 新増設・改組合計設置数ランキング(2008-2014年:単独分野)平均倍率は、公表のみの集計 ※リクルート入試実態調査より、私大のみ

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