カレッジマネジメント190号
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19リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015に反映し2014年4月設置が最短である。そのため2008年から2013年までの設置数平均値と2014年の設置数を比較することとする。2008年から2013年までの設置数平均値に対して2014年の設置数が上回った系統のうち、看護学16件(5.1倍)、心理学6件(6.3倍)、教育学4件(8.9倍)は、これまでのトレンドの流れを受けた設置と予測できるが、経営学7件(3.6倍)、語学(外国語)4件(9.8倍)、歴史学3件(4.6倍)、国際関係学2件(3.2倍)は、これまで顕著な件数増のトレンドだったわけではないなかで、昨年までより2014年の設置数が多かった。特に語学(外国語)は設置数・志願倍率ともにある程度高く、社会情勢を反映した新たなトレンドと言えそうだ。2015年以降の新増設・改組の傾向2015年4月設置の新増設・改組の答申が2014年10月末に行われた。新設大学で湘南医療大学(保健医療学部看護学科・リハビリテーション学科)、長野保健医療大学(保健科学部リハビリテーション学科)、鳥取看護大学(看護学部看護学科)や学部設置の神奈川工科大学(看護学部看護学科)、松蔭大学(看護学部看護学科)、金城大学(看護学部看護学科)、岐阜聖徳学園大学(看護学部看護学科)、日本福祉大学(看護学部看護学科)、京都学園大学(保健医療学部看護学科・言語聴覚学科)、同志社女子大学(看護学部看護学科)、四條畷学園大学(看護学部看護学科)、神戸女子大学(看護学部看護学科)、武庫川長予兆期に突入している。さて、2016年以降の新増設の予定はどうであろうか。現在一般公開されている2016年以降の新増設・改組の計画の特色としては、国際医療福祉大学、修文大学、東邦大学、健康科学大学、いわき明星大学等に代表される看護系の設置である。これまでのトレンドの流れでまだ看護の設置が続きそうだ。また、近畿大学、学習院大学、千葉大学等が予定している国際系学部の設置も今後の社会情勢を反映したものと考えられる。次に、開志大学(仮称)、徳島大学等が計画している「第六次産業」を捉えた農と食に関する学部の設置である。以上のようにトレンドを追いかける傾向、直近の社会ニーズを捉える傾向、そして社会的な課題を解決する分野への新増設が今後の各大学の計画のようだ。次に、複合分野の新増設・改組についてのトレンドを見てみよう(次ページ図表7)。2008年から2014年までの7年間の複合分野の新増設・改組について、設置数の多い順に並べたものである。また、参考値として直近の2013年から2014年の2年間の複合分野の新増設・改組の設置数についても表記した。2008年から2014年の7年間で最も多く設置されたのは、「教育学」と「保育・児童学」を組み合せた学科で26件(平均志願倍率4.9倍)、次いで「スポーツ学」×「健康科学」18件(10.6倍)、「栄養・食物学」×「健康科学」10件(3.4倍)、「経済学」×「経営学」8件(5.5倍)、「情報学」×「メディア学」(3.6倍)、及び「観光学」×「経営学」(1.8倍)で6件、女子大学(看護学部看護学科)、そして学科設置の日本医療大学(保健医療学部リハビリテーション学科)、大阪青山大学(保健科学部看護学科)、梅花女子大学(看護保健学部口腔保健学科)等、看護学科を中心とした医療系の新増設の答申が相次いだ。これまでのトレンドがまだ継続していることが分かる。また、スポーツと健康の複合分野として、福井工業大学(スポーツ健康科学部)、京都学園大学(健康医療学部健康スポーツ学科)、名古屋学院大学(スポーツ健康学部こどもスポーツ教育学科)が答申された。教育系としては、京都光華女子大学(こども教育学部こども教育学科)、大阪体育大学(教育学部教育学科)が答申された。その他のトレンドとして、跡見学園女子大学(観光コミュニティ学部観光デザイン学科・コミュニティデザイン学科)、山梨学院大学(国際リベラルアーツ学部国際リベラルアーツ学科)、中国学園大学(国際教養学部国際教養学科)のように、国際系・観光系の学部・学科申請が行われた。特筆すべきは、龍谷大学の農学部(植物生命科学科、資源生物科学科、食品栄養学科、食料農業システム学科)の新設であろう。これまで農学部の新設は九州東海大学が設置して以来36年間なかったが(2008年東海大学に統合)、食資源の安心安全・継続的確保という新しい課題を、先端科学で解決するというアプローチのトレンドと言える。マーケット・トレンドにおいても2008年から成長期、再成特集 学部・学科トレンド2015

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