カレッジマネジメント190号
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32わが国には2014年現在781の大学が存在し、その規模や学部構成、そして立地も実に多様だ。一つとして同じ条件の大学は存在せず、それぞれが異なる条件の下で自らの教育研究のあるべき姿を模索し続けている。しかし実際には、社会の目に大学の変化は見えにくい。だからこそ、例えば新学部設置といった一見華やかな大学の動きに関心が向きがちだ。しかし、いくつか大学を訪れてみると、そんな華やかさの裏には愚直さが潜んでいることが少なくない。逆に言えば、大学としてブレない愚直さを追求してきたからこそ華やかな取り組みが実現できているともいえる。表層的な華やかさにだけ目を奪われていては本質は見えてこない。ここではそんな事例を見ていきたい。神戸学院大学だ。近年新たなキャンパス設置や学部創設を進めるなど、果敢な挑戦には目を見張るものがある。その果敢さの理由を探りたいと、神戸市西部に位置する緑豊かな有瀬キャンパスに岡田豊基学長を訪ねた。開学以来の「未来志向」というDNA神戸学院大学(以下、神戸学院)は1966年、体質医学の権威として世界的にも知られた初代学長・森茂樹によって創設された。歴史的な発展過程を振り返ってみると、1966年に栄養学部からなる単科大学としてスタートし、翌年には法学部・経済学部を設置、その後も薬学部(1972年)、人文学部(1990年)、経営学部(2004年)、総合リハビリテーション学部(2005年)と、創設後40年をかけて文理にわたる幅広い学部を整備してきた。新たな挑戦はさらに続く。2007年4月にはポートアイランドキャンパスを開設し、神戸市の中心部に進出。そして、昨年2014年4月に「現代社会学部」を設置し、今年4月には「グローバル・コミュニケーション学部」の開設が控えている。今春には都合9学部、約1万人の学生を擁する神戸市内最大の私立総合大学へと成長する。法人として神戸学院は2012年に既に100周年を迎えた。大学も来年2016年には晴れて50周年を迎えることになる。それにしても、この半世紀に及ぶ果敢な挑戦はなぜ可能になったのだろうか。そんな筆者の問いかけに対し、岡田学長は神戸学院が歴史的に継承してきた精神の存在を強調する。神戸学院は創設以来、森初代学長の思いを引き継ぐ「真理愛好・個性尊重」を建学の精神に掲げ、「神戸学院大学憲章」にも「学びと知の探求を通じて、普遍的な学問体系の英知に触れる喜びを実感し、その過程で自己と他者の個性に気づき、互いの存在をこよなく尊重する」と表現されている。さらに、運営上のモットーとして「後世に残る大学」を掲げる。その意味するところは、「常に存在価値のある大学であり続けること、未来志向であることだ」と岡田学長は説明する。それは、大学が単に「未来志向」による果敢なキャンパス再編と新学部創設リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015神戸学院大学C A S E2岡田豊基 学長
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