カレッジマネジメント190号
43/72

43リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 20152014年のノーベル物理学賞を受賞された赤崎勇教授、天野浩教授をはじめ世界的水準の顕著な業績をあげた研担っている科研費は、全ての分野をカバーし最も信頼性の高い「研究評価」の一つであると言ってよいだろう。究者は例外なく科研費のヘビーユーザー。300を超える専門分野ごとに毎年6000人の研究者がピアレビューをその配分結果については従来、東京大学は採択数3690件・交付金額219億円、京都大学は2961件・143億円などと大学ごとの採択数や交付金額を公表してきた。しかし、これではそれぞれの大学がどのような分野で研究力が強いかは分からない。前述の通り、科研費は300を越える専門分野(分野細目)に分かれて審査、採択がなされている。例えば、法学・政治学分野は、「基礎法学」「公法学」「国際法学」「社会法学」「刑事法学」「民事法学」「新領域法学」「政治学」「国際関係論」といった細目に分かれている。今回新たに公表したのは、この専門分野(細目)ごとに、過去5年間の新規採択件数を集計し、上位10大学をリストアップしたデータである。このデータは、①全ての学問分野をカバーし、②専門的で公正な審査(ピアレビュー)によって採択される科研費について、③過去5年間にわたる、④交付金額ではなく採択件数を集計することにより、それぞれの大学が各専門分野にどれくらいアクティブな研究者を集積し、少額科研費を活用した萌芽的で新規性の高いものも含めて、いかに積極的に研究活動をしているかを可視化していると言えよう。専門分野ごとの上位10機関に名前があがった大学・研究機関の国公私立ごとの割合等は図表2の通りであり、国公私立を問わず多くの大学に研究上のエッジがあることが分かる。専門分野ごとの状況の傾向は次のように分析することができる。※下線を引いた細目については次ページ図表3に掲載。理工学系、生物系、人文学・社会科学系ごとのトレンド第一に、専門分野の状況を大括りに捉えれば、理工学系は、特に伝統的なディシプリン(物性Ⅰ、物性Ⅱ、数理物理・物性基礎、物理化学、有機化学、無機化学等)を中心に京都大学、東京大学、東北大学、大阪大学といった研究大学(リサーチユニバーシティー)が比較的強い(P45図表4)。他方、生物系は、東京大学が大きな存在感を示す一方で、慶應義塾大学(呼吸器外科学、産婦人科学、眼科学、形成外科学)、北里大学(天然資源系薬学、人体病理学)、聖路加国際大学(生涯発達看護学)、昭和大学(機能系基礎歯科学)がそれぞれの分野で1位となる等私立大学のプレゼンスも大きい(P45図表5)。人文学・社会科学系は、東京大学、北海道大学、大阪大学、東京芸術大学などに数多くの研究上の強みがあると同時に、早稲田大学、立命館大学、日本福祉大学といった私立大学も生物系以上に大きな存在感を示している。特に、立命館大学は人文地理学、経営学、社会学と幅広い分野で1位となっている(P46図表6)。なお、大学以外でも、東京文化財研究所(文化財科学・博物学)、海洋研究開発機構(地質学)、科学警察研究所細目別採択件数 上位10機関に 入っている機関 362機関 企業等の研究所 短大・高専 国立大学 特殊法人・ 独立行政法人 16機関 4% 17機関 5% 3機関 1% 38機関 11% 84機関 23% 公立大学 私立大学 37機関 10% 139機関 39% 12機関 3% 社団法人・ 財団法人 国公立試験 研究機関 16機関 4% 大学共同利用 機関法人 「専門分野ごとの過去5年の採択数」とは?3専門分野別上位10大学の傾向分析4図表2 細目別採択上位10機関の機関数(機関種別)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です