カレッジマネジメント190号
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67法人会計、国立大学法人会計、公立大学法人会計では、目的や作成する計算書類(または財務諸表)が異なる。企業会計の場合は、株主、投資家、銀行、取引先、政府等の利害関係者に対する報告を目的とする財務会計と、経営者の意思決定や組織内部の業績測定・評価等に資することを目的とする管理会計の2つがある。それに対して、学校法人会計は、私立学校の財政基盤の安定に資するとともに、補助金の配分の基礎とするために、学校法人の経営状況を明らかにすることを目的としたものである。また、国立大学法人会計は国(国民)やその他利害関係者に対して、公立大学法人会計は地方公共団体(住民)やその他利害関係者に対して、その財政状態や運営状況を説明することを目的とするものである。ともに企業会計原則に準拠するものの、公共的性格を有し、利益獲得を目的とせず、独立採算を前提としない等の特性に応じた処理方法を採用している点に特徴がある。このように目的は異なるものの、求められる計算書類が、「資金の流れ」を明らかにするもの、「事業活動の収支または損益」を明らかにするもの、「会計年度末の財政状態」を明らかにするもの、の主として3つで構成されている点は共通している。それらを対比できるように一覧表にしたものが下の表である。そのうちの学校法人会計について、会計基準の一部が改正され、平成27年度から適用されることは既述の通りである。昭和46年の学校法人会計基準制定以来の大改正といわれ、社会により分かりやすく説明できる仕組みにすることを目的としたものであるが、その主たるポイントは、①資金収支計算書の決算額を「教育活動」、「施設整備等活動」、「その他の活動」の3つの活動に区分し、活動ごとの資金の流れを明らかにする②消費支出計算書を「事業活動収支計算書」と改称し、収支を経常的なものと臨時的なものに区分し、経常的な収支を教育活動収支と教育外活動収支に分けて把握する③事業活動収支計算書において、基本金組入れ後の収支状況に加えて、基本金組み入れ前の収支状況も表示することで、毎期の収支バランス(基本金組み入れ余力)をより明確に把握できるようにする④貸借対照表の基本金の部と消費収支差額の部を合わせて「純資産の部」とし、保有する資産の調達源泉(負債=他人資本、純資産=自己資本)を明確にする⑤第4号基本金の金額に相当する資金を年度末時点で有していない場合はその旨と対応策を注記、第3号基本金に対応する運用収入の明確化、第2号基本金に対応する運用資産の明確化などである(平成25年12月高等教育局私学部参事官室リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015計算書類(財務諸表)の比較一覧学校法人会計国立大学法人会計公立大学法人会計企業会計主たる目的私立学校の財政基盤の安定と補助金配分の基礎 国民・住民に対する財政状態や運営状況の説明株主・投資家、銀行、取引先、政府等の利害関係者に対する報告 資金の流れ資金収支計算書活動区分別資金収支計算書教育活動、施設整備等活動、その他の活動の3区分キャッシュフロー計算書キャッシュフロー計算書事業活動の収支または損益事業活動収支計算書教育活動収支教育活動外収支特別収支 損益計算書通常の業務を行った場合には利益は生じず、損益が均衡する仕組み損益計算書財政の状態貸借対照表貸借対照表(基本図は同左)貸借対照表(基本図は同左)備考※純資産の部 ・基本金(第1号〜第4号) ・繰越収支差額上記の他に、・国立大学法人等業務実施コスト計 算書・行政サービス実施コスト計算書 (公立大学法人)上記の他に、・株主資本等変動計算書資産の部負債の部純資産の部臨時的経常的
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