カレッジマネジメント190号
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スタジオがあるほか、写真学科用の暗室など専門設備が並ぶ。取材中も白衣を着た学生が現像にいそしんでいた。2号館にはアニメーション学科が入る。生協のほか、可動式の多目的スペース『プレイス』や中庭など、リフレッシュできる施設も揃う。1階には道路に面した展示スペースがあり、「地域の方にふらっと立ち寄ってもらいたい」と様々な展示を催している。グッドデザイン賞を受賞(2011年)した3号館はギャラリーのような外観。マンガ学科・デザイン学科が入る。創作活動に集中できる設備を多く設けたほか、2号館同様に展示スペースが多く、学生が制作物を発表する機会を多く提供している。芸術領域は保護者を中心に理解を得づらいと言われる。実際のところ東京工芸大学の卒業生は映像プロダクションやデザイン事務所などへの就職が多いが、そもそもそうした業界への一般理解は十分とは言えない。しかし実態は、世界から見ても日本が先導する先端領域であり、ファインアートなどと異なり高校までのカリキュラムとの接続が薄く、大学入学時点からスタートできる芸術・技術分野であることなど、多くの魅力を備えている。東京工芸大学は関連する業界出身の教員も多く、多種多様なコンテンツ業界に直接接続できる珍しい大学で、そのネットワークも魅力の1つと言えるだろう。将来的に中野キャンパスは、メディア芸術の拠点・情報発信基地としての役割を果たすべく展示を充実させていくほか、企業や地域とのコラボレーションなども進めていく予定だ。(本誌 鹿島 梓) 東京工芸大学は1923年小西本店(現コニカミノルタ)が設立した小西写真専門学校をルーツとする大学である。写真を扱うには撮影の技術や表現力はもちろん、光学や化学など理系の知識も必要となる。双方からアプローチできる学部学科構成(工学部と短期大学、後の芸術学部)がもととなり、文理融合的学問の位置づけで発展してきた。「創立当時の先端メディアである写真を扱う学校としてスタートしたもので、今でも写真を軸にしつつ時代の要請や技術進展に合わせて先端メディアを扱うべく、学科拡大をしてきた。中野整備は創立90周年記念事業ですが、大学の規模拡大に伴う教育研究環境の拡張という意味合いも強いです」と齋藤保男広報課長は言う。中野キャンパスは1950年に小西六の無償譲渡を受け開設された。2014年より芸術学部の3・4年次の学生が学ぶが、映像室など仮校舎で担保できない施設も多いため、学科別に2008年から2年ごと合計6年間かけてじっくり再整備を行うことになった。満を持して完成したキャンパスは、各学科の要望が最大限実現されている力作だ。1号館は地下2階・地上4階で、写真学科・映像学科・インタラクティブメディア学科・ゲーム学科が入り、事務部署なども置かれている。映画のセットや72リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015ビデオ用スタジオ。調整室を備えた本格的な映像スタジオ。アニメーションサウンドスタジオ。アニメーション作品のアフレコやナレーションの録音、小規模編成の音楽のレコーディングが可能。1号館地下のデジタル用スタジオでの撮影の様子。
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