カレッジマネジメント191号
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13素養を備えながら、ローカルで活躍する人材を育てるとの方針は開学以来のもの。従来から進めていた取り組みを形にすることが事業の採択につながった」と大森副学長は話す。グローカルな人材を育成する具体的なプログラムの一例として、「ミッションコンプリート研修」がある。地元企業のサンデン株式会社が持つアジア圏の現地法人を拠点として、学生が様々なビジネスミッションをこなす取組だ。卒業生は、このような在学中の国際的な学びの成果を地元企業で発揮する。例えば、群馬のホチキス針工場に勤める卒業生は、海外との商取引の対応で活躍しているという。同大学の入学者における県内出身者の比率は約85%、卒業生の地元就職率も約70%である。地域から学生を集め、在学中に国際的な学修・体験を積む機会を与え、再び産業人材として地域に還元していくというサイクルが生まれている。地域の中で学びを得るプログラムも多数あり、「地域が学生を育ててくれる。学外活動から戻る学生の顔は自信に満ち溢れている」と平田学長は語る。「GGJは地域連携で展開しており、COCのコンセプトは地学一体。地域が大学を支えてくれていると日々痛感している」(大森副学長)。学生募集V字回復の契機─コース制と資格特待生地域で選ばれる大学として発展を続ける共愛学園前橋国際大学であるが、四年制大学としての発足当初は、学生募集で苦境に立たされる場面もあった。初年度は学部名称の新しさもあり十分な志願者が集まったが、その後の志願者数は減少を続け、2001年には1倍に近い水準にまで落ち込んでしまっている(図表2)。2002年以降の志願者数の回復に特に効果のあった施策の一つがコース制の導入である。開学当初は履修モデル制が採られていたが、何を学ぶべきかが見えにくい仕組みでもあった。これに対し、2002年の改革では、英語、国際協力・環境、情報・経営、地域・人間文化の4つのコースが設けられ、学生は各コースに所属することになった。もう一つ、志願者数の回復に大きな効果のあった施策が資格特待生制度の導入である。資格特待生制度は、各種資格を有する入学生に対して初年度の授業料を全額免除する仕組みである。2002年度の導入段階では、実用英語技能検定(英検)2級合格者に対して、大学4年間の授業料を免除する仕組みであった。最初に特待生で入ってきた学生は、群馬県の教員採用試験に一回で合格し、大学の名を高めることになった。2002年の改革後、共愛学園前橋国際大学の志願者数は徐々に増加していった。志願者数の回復について大森副学長は「コース制と資格特待生制度のどちらかだけでは難しかっただろう」と話す。資格特待生制度で入学時点の到達段階を示しただけでなく、コース制により学びの方向性を定めたことが卒業段階でのステップアップにつながった。優秀な学生を獲得し、更なる継続的な成長を促す改革が、学生全体の質を高め、大学の評価を高めていったと考えられる。「人件費抑制規程」と教職一体ガバナンス同大学の学生募集の回復に至るプロセスで特筆すべき点は、教職一体となって「人件費抑制規程」を定めたことだ。人件費が帰属収入の55%を超えた場合、その分を全員一律でリクルート カレッジマネジメント191 / Mar. - Apr. 2015特集 地域で選ばれる大学大森昭生 副学長平田郁美 学長図表2 入試結果の推移(入学定員、出願者数、入学者数、入試倍率、偏差値)0 100 200 300 400 500 600 入学定員 14 (48) 13 (49) 12 (51) 11 (50) 10 (50) 09 (49) 08 (49) 07 (49) 06 (46) 05 (45) 04 (45) 03 (43) 02 (43) 01 (41) 00 (41) 99 (46) 入学者数 出願者数 (人) (倍)(年度) (  )内の数値は各年度入試の偏差値(代ゼミ)を示す ※入試倍率=出願者数/入学定員 99年に開学 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 入試倍率 267 197 164 191 204 234 252 228 215 221 261 291 247 251 266 230 338 481 261 312 368 463 551 502 412 438 495 566 548 548 602 540

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