カレッジマネジメント191号
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33リクルート カレッジマネジメント191 / Mar. - Apr. 2015特集 地域で選ばれる大学基金の規模は地域によって異なるだろうが、4億円程度の基金による年間100人程度の学生の支援が、標準的な例として示されている。これまで経済面で進学を諦めていた高校生にもチャンスが広がり、その受け皿となる地方大学にとっても朗報といえそうだ。大学と地方公共団体が数値目標を掲げて連携もう1つの新事業が、「地方公共団体と地方大学の連携による雇用創出・若者定着の促進」だ(図2)。国公私立大学と市町村を含む地方公共団体、企業や金融機関等が協定を締結して取り組む際、文部科学省は大学に対して補助事業への採択を通じて支援し、総務省は地方公共団体に対して特別交付税措置によって支援する。地域全体の振興という命題のため、一つの大学が単体で動くというより、その地域の大学が連携した取り組みも多くなると思われる。本事業に欠かせないものとして、春山課長補佐は「明確な目標設定による高い実効性」を強調する。協定には「○○大学の志願者数○人増加」「○○大学卒業生の県内就職率○%アップ」「共同研究に基づく新事業による雇用創出○人」等、数値目標の設定を求めるという。また、従来よくある「大学が地方公共団体にお願いする」形ではなく、大学と地方公共団体が対等の立場で目標設定から一緒に検討。両者が役割分担して課題にあたることになる。例えば、地元大学への入学時促進策として、「都市部の大学との単位互換をできるようにしよう」という場合、大学側はICTやサテライトキャンパスを活用した受講・単位修得の制度を整備し、地方公共団体側は受講スペースの提供や通信費等の経費を一部負担するようなケースが想定される(図3取組例1)。●来年度から動き始めるというこの2つの施策に共通するポイントは、「連携」だ。大学、地方自治体、企業がそれぞれバラバラに動くのではなく、課題を共有してタッグを組んで進めなければならない。そのなかで各大学は地域の発展に向けてどんなことができるのか─イメージを膨らませながら、今後の詳細な情報提供を待ちたい。地方大学進学者がその居住する地域において、都市部の大学の授業をICTやサテライトキャンパスを活用して受講・単位修得する機会を提供(単位互換により在学している地方大学の単位として認定する)受講スペースの提供、通信費等増嵩経費の一部負担等を実施地元産業界と連携した、地元企業における長期インターンシップ等、実践的な職業教育を実施(必須科目化・単位認定)大学や地元企業間の連絡調整、インターン先企業の開拓、インターンシップ生の受入れ、地元産業界から大学への講師派遣支援等を実施地元企業との連携により、地域のブランド産品・固有産業技術の開発、地域産品の6次産業化、産品展開のための販路開拓やマーケティングの研究等を実施地方公共団体設立の研究施設(例:産業技術センター)による共同研究、研究開発委託、大学や地元企業間の連絡調整、販路開拓の支援(物産展への出品等)、マーケティング支援等を実施ICTやサテライトキャンパスを活用した都市部の大学との単位互換を通じた地元大学への入学促進【取組例1:入学時対策】地元企業と学生のマッチングによる地元企業との関わりの強化【取組例2:就職時対策】地方大学、地方公共団体及び地元企業の共同研究による産業振興【取組例3:産業振興】大学等の取組地方公共団体の取組連携大学等の取組地方公共団体の取組連携大学等の取組地方公共団体の取組連携図表3 「地方公共団体と地方大学の連携による雇用創出・若者定着の促進」 取組例(藤崎雅子 ライター)

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