カレッジマネジメント191号
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39リクルート カレッジマネジメント191 / Mar. - Apr. 2015会を設置する動きが推奨されており、大学は地域の介護・福祉人材のグランドデザインを描くうえでも貢献が期待される。こうしたなかで、欧州においてみられるような、ケア関連領域を横断した職業資格の継続的な整備・発展のプラットフォームが生まれないかとも考えている。今後の可能性介護ビジネスのグローバル展開アジアに目を向けると、中国、韓国本格化するASEAN 諸国の高齢化対策を展開するうえで、参考になると考えられており、その理念や制度、実践のナレッジが国際協力の枠組みにおいても輸出されようとしている。世界に先んじて虚弱な高齢者が大量に出現、多死社会を迎えようとしているわが国の知恵と経験、チャレンジはASEAN諸国のみならず、世界から大きな注目を集めている。2000年の介護保険制度の導入は、わが国の壮大なソーシャル・イノベーションのきっかけであり、制度的イノベーションが、ケアないしサービスイノベーションにつながり、社会や地域に大きなインパクトを与えてきており、今後民主的イノベーションへの展開が期待されているといわれる。顔が見える関係づくりを基盤としつつ、ビジョンを共有する多主体・多職種が、地域の中で、さらに地域を超えて日常的にナレッジを共有できるプラットフォームのあり方、「共同学習」を促す関係づくりのデザインの検討を進め、国内はもちろん、グローバルに人間中心で持続可能なケアとまちづくりに向けた移行のプロセスを学びあえる仕組みも有用であろう。大学においても、領域・世代を超えて育みあい支えあう地域づくり、地域包括ケアシステムの構築に向け、地域社会の一員としてマネジメントプロセスの支援、求められるコンピテンシーの養成に取り組むとともに、そのナレッジの体系化を進めることに期待したい。(本誌 鹿島 梓、林 知里)を始め、ASEAN(東南アジア諸国連合)も急速な高齢化の進展が見込まれている(図表5、6)。世界で最も高齢化が進んでいる日本では、様々な高齢化対策を行ってきた長い歴史がある。高齢化対策は、高齢者の健康や福祉、社会保障ニーズへの対応等、社会全体の仕組みの再構築を含む大きな課題であるため、早い段階から取り組みを進めておくことが重要である。そのため、日本の取り組みは、今後高齢化が0 10 20 30 40 ミャンマー ベトナム フィリピン タイ インドネシア 韓国 中国 日本 2050年 2040年 2030年 2020年 2010年 (%) 39% 35% 30% 24% 23% 16% 16% 9% 21%超 超高齢社会 14%超 高齢社会 7%超 高齢化社会 ※WHOの定義による 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 2050年 2010年 ミャンマー ベトナム フィリピン タイ インドネシア 韓国 中国 日本 2945 3767 538 1781 1203 5078 591 346 579 2395265 921 1461 1877 11422 33101 (万人)出所:UN, World Population Prospects: The 2012 Revision より編集部にて作成これから10年で激変する、介護・福祉業界の現状と未来特集図表5 アジア各国の人口に占める65歳以上の割合(国連人口動態より) 図表6 アジア各国の65歳以上人口の推移(国連人口動態より)
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