カレッジマネジメント191号
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57リクルート カレッジマネジメント191 / Mar. - Apr. 2015材の問題なのか、②人材の問題とした場合、マンパワーなど量的な問題なのか、能力・経験などの質的な問題なのか、③質的な問題の場合、教員・事務職員という既存の職種の枠組みの中で育成が可能か、それとも配置・育成上新たな職種を設けるべきか、④その人材を内部人材の登用・育成で賄えるのか、外部人材の活用が必要か、という形で順序立てて検討していく必要がある。高度専門職のための第三の職種の設置や特別の手当という考え方も一つの方法ではあるが、何よりも個々の大学が実態を正しく理解しつつ、上に示したような道筋で十分に考え抜くことが大切である。そのプロセスなしの導入は、木に竹を接ぐ結果になりかねない。「職種」中心から脱却し「機能本位」の枠組みへ最後に、大学の組織・人事管理の枠組みについてあるべき方向を考えてみたい。そのイメージを示したものが図1である。筆者は、教員と事務職員・技術職員・その他職員という「職種」から脱却し、如何なる役割を果たすかという「機能本位」の発想や枠組みで、大学の組織と人事管理を再構築すべき時機にきているのではないかと考えている。アメリカの大学に倣った形だが、「教員(Faculty)」以外に「学務(Academic aairs)」、「学生支援(Student aairs)」、「企画管理(Administrative aairs)」という3つの「機能領域」を設け、それぞれの領域の中に「機能」を明示し、その機能を課などの「組織単位」や「専門職位」が担う形にするのである。一定規模の組織で遂行した方が良い機能は課などの組織単位に、他と協力しつつ単独で遂行できる機能は専門職位に、それぞれ位置付けることで、人的構成を踏まえた効果的な職務遂行体制を構築することができる。ここでいう専門職位とは新たな職種を意味するものではなく、機能を担う職位であり、それを役職階層に紐付けることで、いわゆる複線型人事による処遇も可能となる。このような機能本位の構造を構築した上で、実際に如何なる人材を配置するかが次の課題になる。「企画管理」領域の機能は、従来の職種としての事務職員が主として担うことになるが、「学務」領域や「学生支援」領域は、事務職員、教員、新たに採用する外部人材などが、能力や経験に応じて、それぞれの機能を担うことになるだろう。もしこれらの領域に、教員が主たる成員となる組織(センターや室など)とそれを支える事務組織(課や事務課など)という二重の構造が残っていれば、解消させて、責任と権限を明確にした機能本位の組織に変える必要がある。決めるのは教員、事務を処理するのが事務職員という体質を払拭できない限り、強い当事者意識と使命感を持った高度専門職は育たない。もちろん、全ての職員が高度専門職である必要はない。ルーティンを中心に支援に徹する職員の存在はこれからも重要である。働き方や価値観の多様性を尊重した組織・制度づくりも大学の大きな課題である。学 務Academicaairs学生支援Student aairs企画管理Administrative aairs学部長研究科長学科長専攻長教  授准教授助  教総長・学長 副 学 長高度専門職支援職Faculty経営層Executive部長層Director課長層Manager主任層Chief一 般Assistant【職階】教員事務職員(従来の職種)外部人材図1 大学の組織・人事管理の枠組みに関する試案(イメージ)

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