カレッジマネジメント191号
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先駆者としての誇り    アクロバットさながらの豪快な回転キック。繊細なボールタッチによるパスワーク。セパタクローという競技を実際に見ると、豪快さと繊細さを兼ね備えた魅力が伝わってくる。亜細亜大学・セパタクロー部は、この競技の日本におけるリードオフマンとしての歩みを続けてきた。平成元年に衞藤瀋吉・元学長が発起人、初代会長となり、日本セパタクロー協会を設立した。同年に愛好会としてスタートし、世界選手権大会やアジア大会をはじめとする数々の国際大会にも日本代表選手を輩出。また近年でも、全日本学生オープン選手権大会において平成25年度の大会まで、男子は6連覇を達成。女子も常に優勝を争う強豪チームなのだ。そんな伝統ある部を率いるのが、主将の近藤壮真さんだ。「セパタクローは、大学入学から始める人がほとんどです。私自身サッカーをやっていましたが、ボールの感覚も違いますし、なんと言っても、高い打点で蹴る、そして着地して次のプレーにつなげるという柔軟な体の動きが必要です。初めて見る人は、自分にできるのだろうかと思いがちですが、チャレンジしてみる価値のある競技だと思っています」。そう語る近藤さんも、初めはフットサルをやろうかと考えていたそうだが、先輩達のプレーを垣間見た瞬間、「できるようになりたい!」と感じて入部を決めた。アタッカー、トサー、サーバーという3名1組の「レグ」と呼ばれるチームを組み、手以外の足や頭等を使い、2セットマッチで戦う。「私は、トサーというバレーボールのセッター的なポジションをやっています。トサーは司令塔としての役割を担いますが、レグ3人の呼吸がピタリと合った意図通りのプレーが決まった時が最高ですね」。近藤さんは主将としても「部のために」という想いを大切にしてきた。「初心者から始めるスポーツなので、やはり部員が成長することが一番うれしいです。新入生が10名入部して19名となりましたが、下級生が多い構成なので、一人ひとりの成長こそ、部の成長につながると感じています」。さらなる発展を期待されるセパタクロー。その「先駆者としての誇り」が、彼らの未来への希望をつなぐ原動力となっていくだろう。 (写真・文/西山俊哉) 近藤 壮真 さん (経済学部経済学科3年) 学生のリーダー 亜細亜大学 セパタクロー部 当代 当代 Vol.53 主将

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