カレッジマネジメント192号
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14金沢大学は、2008年に学域学類制に移行し、以来、組織改革の先駆者として走り続けている。確かに、金沢大学の改革は劇的である。その変化に目を奪われるかもしれない。しかし我々が見るべきは、劇的な改革の底流にあるべき姿を追い求める信念が常にあり、ぶれることがなかったその点である。教員所属組織、教育提供組織の再編は、何を狙って行われたものであったのか。学域学類制がもたらすものとは、何なのか。自然豊かな谷あいにある金沢大学角間キャンパスに、山崎光悦学長を訪ねた。3学域16学類で柔軟な学びを実現金沢大学は、旧制金沢医科大学、旧制第四高等学校等、石川県にあった諸教育機関を前身に持つ国立大学である。北陸の雄として名高い。教育面では、北陸3県出身者を中心に、学部生及び大学院生等1万328人が、3学域16学類5研究科に学んでいる(2014年5月1日現在)。研究面では、学術論文被引用数が10万6981件(2003-2013年度実績)で国内20位であり、特に地球科学分野(12位)、臨床医学分野(13位)に強みがある(『金沢大学概要2014』)。金沢大学の基本理念の通り、まさしく「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」である。ところで、その金沢大学において現在採られている、学域学類制とはどのようなものであろうか。改革前(2008年3月まで)は、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、工学部、医学部、薬学部の計8学部(25学科)体制であったのが、先述の通り、改革を経て3学域16学類体制となった(2008年4月より)【図表1】。学士課程レベルの学生は、人間社会学域、理工学域、医薬保健学域の3「学域」の下に設けられた、16の「学類」のいずれかに所属し、教育を受ける。この「学類」は、法学類や機械工学類、医学類といった一般に馴染みが深い専門分野ごとに設置されている。学域学類制に伴い、経過選択制、主専攻・副専攻制が採られている。経過選択制とは、2年生(一部3年生)への進級時にコース・専修に配属する仕組みである。1年生までは共通教育の科目や学類共通の専門科目等を幅広く受講することになる。学生の側から見れば、1年次での学習の過程で明らかになった自身の興味関心に基づいて専門分野を選択することができる。主専攻・副専攻制は、学生が選択した専門分野以外の専門分野も修得したことを認める仕組みである。学生組織改革のパイオニアが踏み出す次の一歩とはリクルート カレッジマネジメント192 / May - Jun. 2015図表1 3学域・16学類への改組の前後比較8学部25学科・課程(〜2008年3月)3学域・16学類(2008年4月〜)●文学部人間学科、史学科、文学科●法学部法政学科●経済学部経済学科●教育学部学校教育教員養成課程、障害児教育教員養成課程、人間環境課程、スポーツ科学課程●理学部数学科、物理学科、化学科、生物学科、地球学科、計算科学科●工学部土木建設工学科、機能機械工学科、物質化学工学科、電気電子システム工学科、人間・機械工学科、情報システム工学科●医学部 医学科、保健学科●薬学部 薬学科、創薬科学科●人間社会学域人文学類法学類経済学類学校教育学類地域創造学類国際学類●理工学域数物科学類物質化学類機械工学類電子情報学類環境デザイン学類自然システム学類●医薬保健学域医学類薬学類創薬科学類保健学類金沢大学C A S E1

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