カレッジマネジメント192号
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40リクルート カレッジマネジメント192 / May - Jun. 20152011年に大学設置基準が改正され、「大学は、生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指し、教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むこと」が明記され、就業力育成は大学教育の重要な課題となっている。各大学が活動の方向性を模索するなか、地域産業人材の育成や地域経済の活性化にもつながるような就業力育成の取り組みが注目されている。この連載では、産業界との連携や地元自治体との協働によって学生の就業力を高めることに成功している事例などを、積極的に紹介している。今回は九州工業大学で、独自に作成した「エンジニアのためのグローバル・コンピテンシー(GCE : Global Competency for Engineer)」を軸とする技術者養成の取組について、松永守央学長と尾家祐二副学長にお話をうかがった。変化のスピードへの対応九州工業大学では、就職率・就職先共に学生の希望に近い形でできている現状だと松永守央学長は言う。「ただ、将来に向かって一番の不安要素としてあるのが、本学の卒業生の主な進路である技術開発分野における、変化のスピードです。以前ですと卒業して10年から15年は同じ仕事を続けることができましたが、今は3年とか、もっと短い期間とかでどんどん仕事が変わっていく。そういうことに対応技術開発の変化スピードに対応した、工学系教育改革できる能力とはどんなものか、そのためにどんな教育をするか。根本的に教育のあり方から見直そうということになったわけです」グローバルと創造性を柱とした教育改革改革に当たり確認された教育コンセプトは、「創造する個」及び「グローバル人材」の育成だ。工学技術者もしくは研究者に求められるクリエイティブネスや探究心を「創造する個」という言葉で表現。グローバル化社会に対応した人材像として「GCE」を掲げ、「多様な文化の受容」から「デザイン力」までの5つを、必要な能力として示した(図表1)。さらに、この5つを習得するために、グローバル教養教育、Study Abroad、Work Abroad、など5つの柱を立てている。「中身は全部が目新しいわけでなく、全てを統合してきちっと体系づけたところが目新しいのではと。統合することで明確にし、PDCAサイクルをまわす仕組みまで作って、すぐ実行に移す体制をとりました」(松永学長)「全般的なコンセプトとしては、インタラクティブ、相互作用が引き起こされるような、学習のありようなり環境なりを増やせば、自ずと学ぶだろうということです。様々なインタラクティ尾家祐二 副学長松永守央 学長九州工業大学就業力を育成する連載 ㉓
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