カレッジマネジメント192号
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47リクルート カレッジマネジメント192 / May - Jun. 2015高校の進路指導・キャリア教育に関する調査2014「学校全体で取り組んでいる」73%、続いて「学年で取り組んでいる」20%となっており、組織的に取り組まれていることが分かる。また、キャリア教育の実施時間について尋ねたところ(図表6)、1位「総合的な学習の時間」80%、2位「ロングホームルーム」64%と例年と傾向は同じだが、4位「教科の時間」は、前回調査よりも6ポイント増え、29%に上がっている。「イベント型」から、教科指導を通じて取り組む「日常型」のキャリア教育が増加していることがうかがえる。次に、キャリア教育の推進と生徒の意欲・学力とはどう関係するのかを調べてみたのが図表5だ。生徒の意欲・学力が増したと回答したキャリア教育実施校では、【事前活動】【プログラム作成】【連携】の取り組み各項目が全体スコアを上回っている傾向にあることが分かる。とりわけ、【事前活動】「キャリア教育の意味を保護者に伝えている」、【プログラム作成】「キャリア教育について組織的・体系的な指導計画を作成している」、【連携】「キャリア教育推進のため、進路指導担当部署と各教科の連携を強めている」が、「変わらない」「減った」学校よりも高い。生徒や保護者にキャリア教育の意味を伝え、学校としてキャリア教育に計画的に取り組んでいる学校では、生徒の「意欲」や「学力」の増加と相関関係があることが分かる。【生徒にとって有意義だと思う】●何になりたいかではなく、そもそも何のために働くのかという、価値観の涵養が必要だと思います(福島・普通科)●自己理解力を育てること、変化する状況に対応する問題解決能力を育てることは、これからの社会を力強く生きていくことが求められる生徒にとっては、とても有意義(神奈川・普通科)●キャリア教育なくして卒業をさせるから大学をやめたり社会で活躍できない人材になったりするのではないかと思う。「自立して生きていくために必要な能力や態度の育成」(奈良・普通科)【教員の負担が大きくなりそう】●かなり負担になっているのが現状である。就学体験を行うだけでも、多くのエネルギーを使っている(兵庫・総合学科)●地域や外部との折衝に時間と労力がかかり過ぎる(千葉・普通科)●キャリア教育専門の部署を立ち上げないとまわらないと思われる(愛知・普通科)【望ましい進路指導ができそう】●本当にやりたいと思う学問に出会える(栃木・普通科)●大学進学希望者が多数を占める学校ですのでどうしても教科科目の成績のみで単線的に進路を考えがちな生徒が多くなりますが、キャリアプランニングという発想を加えることで生徒の将来像の描き方が多様で複線的なものになると期待できるから(静岡・普通科)FREE COMMENT2014年全体(n=989)2012年全体(n=1145)2010年全体(n=1152)2008年全体(n=778)79.877.877.173.064.475.270.766.330.631.626.9*29.222.816.014.324.727.922.1*18.617.611.5*16.315.78.9*10.410.67.4*9.69.64.83.19.17.64.32.88.57.86.0*1.92.11.4*0 20 40 60 80 100 宗教・道徳などの時間 キャリア・ガイダンスを内容とする 学校設定科目 部活動の時間 生徒会活動 ショートホームルーム 文化祭や体育祭などの学校行事 修学旅行や遠足 長期休暇(春・夏・冬休みなど)の 課題として 教科の時間 普段の学校生活全般の中で ロングホームルーム 総合的な学習の時間 2008年全体 2010年全体 2012年全体 2014年全体 (%) 図表6キャリア教育の実施時間(キャリア教育実施校/複数回答)● キャリア教育の推進状況生徒の意欲・学力が増加キャリア教育の実施について※「2014年 全体」の降順  [*]:該当項目なし

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