カレッジマネジメント192号
49/66

49リクルート カレッジマネジメント192 / May - Jun. 2015高校の進路指導・キャリア教育に関する調査2014中央教育審議会は昨年12月22日、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)」をまとめた。その中で、高校の教育について、「課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習・指導方法であるアクティブ・ラーニングへの飛躍的充実を図る」と提言された。では、高校現場ではいったいアクティブラーニング型の授業がどのくらい取り組まれているのだろうか。取り組みではなく、教科で取り組んでいる」12%と、現状は意識の高い教員個人が牽引している様子が見えてくる(図表8)。こうした状況の中、アクティブラーニング型の授業へ転換する動きが、全国各地の高校で活発化している。講師を招聘して校内研修会を実施し、授業スキル向上や教員の意識改革を促すのが狙いだ。周辺の高校に声を掛けて取り組む高校もある。教員個人の取り組み中心から、学校全体の組織的な取り組みが高まれば、高校の教育の質的転換は加速する。と同時に、高等教育との教育の接続が焦点となってくるだろう。今回の調査では、約半数に当たる47%の高校で取り組んでいるとの回答を得た(P43)。教員によるチョーク&トークの一斉授業スタイル(Teaching)から、生徒が学習の主体者となる授業スタイル(Learning)への転換が進んでいる。しかし、詳細を見ると、授業改善に取り組んでいる学校の過半数(全体の26%)は「学校や教科など組織的な取り組みではなく、教員個人で取り組んでいる」であり、「学校全体で取り組んでいる」9%、「学校全体での高校で急速に広がる授業改善 (アクティブラーニング型授業)4(n=1140) (n=836) (n=295) (n= 852) (n= 72) (n= 135) (n= 530) (n= 204) (n= 326) (n= 212) (n= 389) 47.1 48.3 44.4 49.6 48.6 30.4 56.6 56.4 56.7 42.5 37.3 設置者別 高校 タイプ別 大短 進学率別 学科や教科など組織的な取り組みではなく、教員個人で取り組んでいる 学校全体で取り組んでいる 学校全体での取り組みではなく、教科で取り組んでいる 取り組み状況を把握できていない 取り組んでいない 無回答 導入・計 導入・計 凡例 (%) 図表8 アクティブラーニングなど授業改善の取り組み (全体/単一回答) 40%未満 40~70%未満  70~95%未満 95%以上70%以上 専門高校 総合学科 普通科 私立 国公立 2014年 全体 8.7 9.1 7.8 9.4 2.8 6.7 10.6 9.8 11.0 8.5 6.4 11.1 19.8 21.3 39.3 2.1 11.8 22.2 20.3 36.8 0.5 13.2 32.5 14.4 27.0 1.8 12.7 33.8 13.2 29.4 1.0 13.0 33.0 14.0 27.9 1.5 10.4 13.3 25.2 41.5 3.0 16.7 29.2 20.8 25.0 5.6 12.1 28.2 16.4 32.7 1.2 10.5 26.1 17.6 36.3 1.7 12.7 26.6 17.7 32.5 1.4 12.0 26.4 17.7 33.5 1.7 ● 授業改善の取り組み広がるアクティブラーニング型授業● 授業改善の現状牽引しているのは意識の高い教員

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です