カレッジマネジメント192号
50/66
50リクルート カレッジマネジメント192 / May - Jun. 2015グローバル化社会を意識した教育に高校はどう取り組んでいるのだろうか。現状を尋ねたところ(図表9)、「現在取り組んでいる」は24%、「現在は取り組んでいないが、今後取り組みたいと考えている」34%を合わせると過半数を超える。他方、「今後も取り組むことは考えていない」は39%と、意向が大きく分かれることが分かる。グローバル化の進展を感じつつ、まだ取り組めていない現状が浮かびあがってくる。大学・短大への進学率別にみると、進学率が95%以上の学校では40%が取り組んでおり、進学率が高くなる学校ほど実施率は高い傾向だ。結論から先に述べると、前ページのアクティブラーニング型授業の取り組みと同じく、「教員個人が導入している」が51%で最多。「学校全体で導入している」は17%にとどまる(図表10)。データの掲載は割愛するが、ICTを活用した授業の取り組み内容では、「教員が作ったスライドの投影」が77%で最多だが、「調べ学習など生徒がインターネットから必要な情報を収集する」71%、「生徒がプレゼンテーションソフトを使って発表する」67%、「動画や電子教科書などデジタル教材を使う」53%と、生徒自身が活用する内容が多い。授業改善とともに、今後の動向に注目したい。グローバル化、ICT化の取り組みの現状5【グローバル化への取り組み内容】●英語教育の充実(授業数・内容・資格取得を意識)。国際交流の場の設定(他国の学校訪問、留学生派遣と受け入れ)。学校設定科目「異文化理解」の導入(東京・普通科)●地方の学校なので、①世界、日本、学問などにおける先端分野の体験や実習 ②コミュニケーション能力への対応 ③教養の充実(岐阜・普通科)●看護科、福祉コースでの学習内容に取り入れている。全校生徒「茶道授業」を正課として取り入れ、日本文化に触れることにより、精神性の高い教育を取り入れている(岡山・普通科)●タブレットを使って海外の協力校とコミュニケーションを取りながら、課題解決の手法を学んだりしている(東京・普通科)FREE COMMENT図表9 グローバル化を意識した教育への取り組み (全体/単一回答) 図表10 ICTを使った教育(授業)の導入 (全体/単一回答) 2014年 全体 95%以上 70~95%未満 40~70%未満 40%未満 (n=1140) (n= 204) (n= 326) (n= 212) (n= 389) 2014年 全体 95%以上 70~95%未満 40~70%未満 40%未満 (n=1140) (n= 204) (n= 326) (n= 212) (n= 389) 0 20 40 60 80 100 学校全体で導入している 学校全体ではなく、教員個人が導入している 現在導入していないが、今後学校全体への導入予定がある 今のところ、学校全体への導入予定はない 無回答 0 20 40 60 80 100 現在取り組んでいる 現在は取り組んでいないが、今後取り組みたいと考えている 現在取り組んでおらず、今後も取り組むことは考えていない 無回答 大短進学率別 大短進学率別 67.8 65.7 68.1 69.3 68.1 導入・ 計 (%) (%) ※ 「学校全体で導入している」「学校全体ではなく、教員個人が導入している」の合計を 「導入・計」とした 24.2 39.7 32.5 24.5 9.3 32.4 55.8 2.6 31.6 41.0 2.8 36.8 26.1 4.6 34.8 22.5 2.9 33.8 38.5 3.5 17.0 18.1 16.3 17.9 17.0 51.2 3.6 26.2 2.1 51.4 4.7 24.5 1.4 51.8 4.9 24.2 2.8 47.5 5.9 25.5 2.9 50.8 4.6 25.2 2.5 ● グローバル化への対応24%が意識した教育に取り組み中● ICT化への対応教員個人の取り組みが中心
元のページ