カレッジマネジメント192号
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結束という名の衝撃  打楽器が鳴り響き、トランペットやサックスなどのブラスが炸裂する。音に合わせて大きな旗が舞う。 マーチングバンドのパフォーマンスを目の当たりにすると心を揺さぶられる。それはまさに衝撃だ。 2014年4月、校名変更(旧奈良産業大学)とともに、新たに創設された奈良学園大学・マーチングバンド部。現在1期生23名で編成されているチームを率いるのが、部長の知念奈巳さんだ。「このマーチングバンド部には、既に様々な実績と実力を持ったメンバーが集結しています。プロ集団でのツアーに参加した経験者や、高校の全国大会で活躍した者。私も沖縄県立西原高等学校時代に、日本一、世界一を経験しています」。そう語る知念さんは、この大学に入学する前は、沖縄の大学を卒業し、小学校の教員をされていた経歴を持つ。「将来、小学校のマーチングバンドの指導者になりたくて、新しい部の立ち上げを知り、奈良学園大学に入学しました。1期生は23名ですが、4年計画で、100名規模のマーチングバンドに拡大し、日本一を目指しています。メンバーがみんな、プライドを持ってここに集っているので、お互いの意見を出し合い、切磋琢磨しながら歩みを続けています。もちろん、日本一はひとつの目標ですが、ほとんどのメンバーが、将来、音楽の指導者となっていくことを目指しています。ですから、大会での結果だけを求めるのではなく、あくまでも社会に出て役に立つ人材となることを重視していますね。部としての活動の幅も広げ、地域のイベントや行事にも積極的に参加し、また仙台遠征での復興支援ボランティア演奏等も行っています」。日本一という目標もさることながら、人間力を高め、社会の戦力となりうることに目線を向けているのだという。「まず個人の責任をしっかり果たすこと。各自が自立し、自分のやるべきことをなし得てこそ、点が線になり、素晴らしいパフォーマンが生まれてくると思っています」。個が自立し、つながり合うこと。知念さんの部長としての想いはここにある。そして4年後、1期生が築いた魂を、未来の100名が実演した時、「結束という名の衝撃」が、私達の目の前に姿を現すことだろう。(写真・文/西山俊哉) 知念 奈巳 さん(人間教育学部人間教育学科2年)学生のリーダー奈良学園大学 マーチングバンド部当代当代Vol.54部長

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